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【坪野鉱泉・心霊】北陸最恐の神隠しホテル その1

坪野鉱泉_バリケード前 外観

北陸最恐の心霊スポット、坪野(つぼの)鉱泉。
こういう場所にはありがちな単なる噂話ではなく、このホテルにまつわる数々の「実話」がその恐ろしさを決定的に裏付けている(後述)。
冷たい雨がしとつく夕刻、廃墟に向かう私の足は否が応にも震えた。

坪野鉱泉_エントランスの落書き

バリケードを越えて、ホテルのエントランスにやってきた。天井まで3メートルはありそうだが、若林さんはどうやってサインしたのだろうか……

坪野鉱泉_エントランス前

エントランスは鉄板で封鎖されているが、人ひとりが通れる分だけの穴がこじ開けられていた。

それではお邪魔します……

坪野鉱泉_エントランスホール

穴から入ってまず見える風景がこれ。落書きだらけのエントランスホールだ。柱には「砺波(となみ)連合」の文字が見える(近隣に同名の市が存在)。ここに限らず、建物の壁という壁にはスプレー等で落書きがされていた。

エントランスホールの螺旋階段

おしゃれな螺旋階段。

落書き「緑色の男、Mr. Eraserhead」

やたら目立つ緑のコイツは「ミスター・イレイザーヘッド(消しゴム顔の男)」というらしい。
ちなみに英語のheadは首から上全体を指す。

坪野鉱泉_富山連合

富山県は「暴走族発祥の地」とされている。暴走族といえば「スペクター」が特に有名で一般には東京や神奈川のイメージなので、そこから遠く離れた富山というのは意外だ。

なんでも、爆音でバイクを走らせる様からそれまで「カミナリ族」などと呼ばれていた集団が昭和47年6月に富山市中心街へ百数十台集結し、これが約3000人のギャラリーと共に暴徒化して略奪※1や轢き殺し事件※2に発展、そんな彼らをマスコミや警察が「暴走族」と呼称したのが始まり※3 なのだという。

「奥中上等」の落書き

そしてこの騒ぎは富山県内だけに留まらず、その後同年9月までにかけて北陸・中国・四国の各地方都市にまで波及、最終的に2500人以上の検挙者を出した※4

これが日本の「暴走族」の夜明けである。

「最強」の落書き

だが時は平成となった今、彼らにかつての勢いは無い。近年は構成員数もグループ数も減少の一途を辿り※5、現在の規模はピーク時の実に6分の1にまで減少※6、新規参入の若者の減少から代替わりするにできず暴走族も高齢化が進んでいる※7という。

「夜露死苦」の落書き

その要因は少子化や取り締まりの強化というよりも、若者を取り巻く環境の変化、及びそれに伴う意識の変化といったものの方が大きいだろう。何の娯楽もなかった当時に比べて、今はネットやTV、ゲーム機器などが普及し安価で刺激的なコンテンツが身近に数多くある。

「STオンパニオン」の落書き

わざわざ特服に身を包んで集会に参加して、嫌なセンパイの言う事に絶対服従などせずとも、遥かに手軽で楽しいことが他に沢山あるのだ。肝心のバイクだって雨風に晒されるし、暑くて寒くてダルいし、金もかかる。こうして暴走族は段々と廃れていき、特攻服に代表されるヤンキースタイルももはや「時代遅れの、ダサい」イメージのものとなりつつある。

そしてそれは、ここ「暴走族発祥の地」富山でも例外ではない。

「SKC愚連隊」の落書き

SKC、砺波連合、富山連合、STオンパニオン……これらはどれもイカれたヤンキーの妄想という訳ではなく実在の暴走族のようだが、この内かろうじて2016年現在も活動を確認できるのは富山連合くらいだ。

砺波連合は2010年の摘発※8を最後に確実な情報がない。県内最後のレディースとされた「音速天女」は2008年に暴行事件を起こしメンバー7人が逮捕されたのを最後に消滅※9したようだ。

このままいけば日本の「暴走族」が環境省レッドリストの絶滅危惧I類※10に分類される日も近い。

坪野鉱泉の廊下

さて、坪野鉱泉と言って地元の人間がまず連想するのは、「坪野鉱泉女性失踪事件」という有名な未解決事件であろう。1996年5月、「肝試しに行く」と車で自宅を出た19歳の少女2名が乗用車ごと消息を絶ったという事件である※11。状況から見て警察は、2人がこの坪野鉱泉に向かった可能性が高いとして、事件・事故の両面から捜査を進めたが現在に至るまで有力な手がかりは何も得られていない。車ごと消えていることなどから某国による組織的な拉致も噂されている本事件だが、真相は今も闇の中である。

坪野鉱泉の客室

また、2001年には16歳の女子高生が男に「肝試しに行こう」などとここに誘い込まれてレイプされるという痛ましい事件も起こっている※12。その様子は犯人により撮影され、それをネタに脅された少女は売春で金を作ることを強要された。

いたいけな少女が犠牲となった現場はまさにこの部屋である可能性もあるわけだ……ゴクリ。

坪野鉱泉の外観

「暴走族のたまり場」「恐ろしい事件があった」……こんなのはどの心霊スポットでも言われており根も葉もないたわ言と相場は決まっているのだが、こと坪野鉱泉に関してはそのどちらもが真実である。暴走族がかつての勢いを失ったとはいえ完全に消滅したわけでもなく、またこうして実際に事件も起こっているとなれば背筋が寒くなるのも無理はないだろう。

「幽霊よりも人間のほうがよほど怖い」
それを地で行く廃墟がここ、坪野鉱泉なのだ。

(→ 「坪野鉱泉:その2」へ続く)

【廃墟Data】

探訪日:2017年1月上旬

状態:健在

所在地:

  • (住所)富山県魚津市坪野
  • (物件の場所の緯度経度)36°46'33.8"N 137°27'26.9"E
  • (アクセス)北陸自動車道「魚津」IC下車、高速道路の出口を左折して県道52号線を内陸方面に進む。その後2km程進む間に北陸新幹線の下を潜り、さらに「石垣」交差点を過ぎると、交差点から250m先で県道52号線が終わり、2本の県道67号線に分岐するT字路があるので、そこを右折する(寺まで行くと行き過ぎ)。そのまま県道を4km程進んでいくと、正面にホテルの茶色い建物が見えてくる。県道の左手に「薬師の水」という水汲み場があり、その裏手にホテルがある。