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【男鹿プリンスホテル】その2:衰退する温泉街

(→「その1:【男鹿プリンスホテル】秋田県最恐の心霊スポット」より)

【廃墟】男鹿プリンスホテル_廊下

客室へと続く廊下。

【廃墟】男鹿プリンスホテル_客室

客室はどこもこんな感じ。内装は窓枠どころか床板すら残されていない。このホテルは客室からの展望が評判だったそうだが、それも上階の一部の部屋に限った話なのだろう、ここからの眺めはあまり良くない。

【廃墟】男鹿プリンスホテル_広間

ここまで何もないと、建設途中系の廃墟と勘違いしてしまいそう。

【廃墟】男鹿プリンスホテル_破壊された壁

人為的な破壊の跡がそこかしこに見られる。

【廃墟】男鹿プリンスホテル_男風呂

男風呂。割と広々としている。

【廃墟】男鹿プリンスホテル_女風呂

それに対してこの女風呂の狭さ。こういう露骨な男尊女卑は古いホテルには非常によく見られる。

【廃墟】男鹿プリンスホテル_錦織参上!

有名な落書き。

【廃墟】男鹿プリンスホテル_なまはげ違い

とても秋田感溢れる落書き。

【廃墟】男鹿プリンスホテル_町内俯瞰

ここからは男鹿温泉の様子が見渡せる。林立する他のホテルから漏れる明かりはほとんど見られず、活気は恐ろしいほどに無い。

しかし男鹿そのものはそれなりに人の集まる場所なのだ。秋田県民がどこか県内にドライブしに行こうとなれば、大抵は山形県との境にある鳥海山か、岩手県側にある田沢湖か、もしくはここ男鹿半島という事になる。私が住んでいた町は男鹿に近かったのでよく家族に連れて行ってもらっていた。半島の先から出ている遊覧船に乗りながら海中にいる魚やウニも見たし、水族館に行ってケサランパサランも見た※1。道中道端で売っているババヘラ※2を食べたこともあるし、入道埼の露天のイカ焼きも食べた。今は亡き祖父はホタテの貝柱をよくお土産に買っていた。私の遠く幼き日、暑い夏の思い出である。

だがそんな私ですら、男鹿のこの場所に温泉街があるということを今の今まで知らなかったのである。

【廃墟】男鹿プリンスホテル_宴会場跡?

秋田で温泉地といえば、全国的にも有名な乳頭温泉がある。ここはその素晴らしい泉質もさることながら、八幡平や田沢湖といった名勝地がほど近く、泊りがけで行く価値が十分にある。それどころか、山行で疲れた体を癒すにはもってこいの場所であろう。

しかし男鹿温泉の泉質については聞いたことがなく、完全に男鹿観光頼りの場所だろう。だが致命的なのはその肝心の男鹿が「日帰りするのに丁度良い」という場所なのだ。特に県内一の人口を抱える秋田市民にとっては男鹿は近すぎて、泊りがけだと時間を持て余す事必至である。ゆったりとホテルで日本海に沈む夕日を眺めながら……という立地にも無い。そうして人々からは男鹿温泉の存在は忘れられていった。そこに全国ワースト1位の人口減が覆い被さる。そうした状況下にある男鹿温泉一帯のホテルの経営が厳しいであろうことは想像に難くない。

【廃墟】男鹿プリンスホテル_外観

今、温泉町はここに限らずどこも経営は厳しい。熱海や鬼怒川といった全国区の温泉地でさえ廃墟化したホテルが目立つという状態である。そのあまりの惨状には廃墟愛好家であると同時に一日本人である私にとって、とても複雑な思いを感じさせられずにはいられない。

(了)

【廃墟Data】

探訪日:2016年1月上旬

状態:健在

所在地:

  • (住所)秋田県男鹿市北浦湯本草木原
  • (アクセス・地図)→ その1【廃墟Data】を参照

【脚注】

※1^

全く「水族」ではないが、主に東北地方で見られる伝承だからということだろう、男鹿水族館に昔展示されていたことがある。

ちなみにケサランパサランとは、

  • 白くフワフワした小さな毛玉状の物体
  • おしろい(鉱・植物性の化粧品)を食べて生きる
  • 持つ者に幸運をもたらしたり、願いをかなえてくれる
  • 古くは江戸時代から伝承がある

等の特徴を持つ、いわゆるUMA(未確認生物)である。


  ケサランパサラン

(出典:「Wikipedia」 https://ja.wikipedia.org/wiki/ケサランパサラン


  男鹿水族館 ケサランパ(バ)サラン説明書き

(出典:「オカルト.net」 http://occult-2ch.net/blog-entry-272.html

※2^

クソ暑い夏※3の日、車が多数行き交うアスファルトの照り返しがとてもキツい国道脇に、ド派手なパラソルを差して座っている風流なババアが居たら、それが「ババヘラ」だ。話しかけると報酬と引き換えにババアがヘラでアイスを取り分けてくれる。秋田県内では割とありふれた存在だが県外では全く見ることができず、一時はカッペの妄言・UMA・都市伝説とさえ言われた(そんな所にババアがいるわけが無い)。車の排ガスや道路の照り返しなど若者でもかなり厳しい環境のはずなのだが、不思議とババア以外を見たことが無いので、日々の農作業で鍛えられた肉体にとってこの程度はむしろ休憩に近いものなのかもしれない。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ババヘラ

※3^

秋田は東北でも北の方にあり、言わずと知れた豪雪地帯なので夏は比較的涼しいのでは? と思われるかもしれないがそんな事は全く無い。冬はドッカリ雪が降るし夏は死ぬほど暑い、という地獄のような場所がここ秋田なのだ。