1. 概要 世界平和大観音は兵庫県の淡路島にある観光複合施設の廃墟。正式名称を「豊清山平和観音寺」という。昭和57年(1982)に建立された巨大観音像は台座部分を含め全高100メートルにもなり、当時は世界最大の仏像として注目を集めた。 昭和52年(1977)のオープン当初はそこそこの賑わいを見せたものの、観音像の完成から6年後の昭和63年(1988)にオーナーである奥内豊吉氏が死去。その後妻が経営を引き継ぐも...
福島に桜を撮りに行った際に偶然見つけた物件。こんなマイナーな物、絶対他に撮ってる物好きなんかいないと思っていたら、この前を通る人間は異様なコレがやはり気になるのか、ネット上に1件だけ該当があった。 だがその1件の該当も、遠景の写真のみをただ貼り付けているだけで、詳細については何も分からず。かくいう私も次の桜スポットに足早に向かったため、これ以上の写真は無し。しかし中には一体何が……う~ん、気...
というわけで、編集後記です。 小説内では登場しなかったダルマの写真なども交えてご紹介させて頂きます。 今回、全6回に渡り連載した「廃墟奇遭譚きそうたん『ダルマの里』」、いかがだったでしょうか? いささか無粋と思われるのであえて明示はしませんが、ヒロインの狐さんには設定上の名前がちゃんとあります。「風」に関係する名前です。私が初めて買ったバイクにつけようとしていた名前でもありました。 バイクのイメー...
連続廃墟小説 最終話 「懐かしの君へ」 馴化(じゅんか)、と言うらしい。 魂は、その世界に適した形を取ろうと徐々にその形を変えてゆく。 そして変化を終えた魂が「名」によって世界に根を張り固定されてしまうと、 生きている間はその世界から出ることができなくなるという。 そう、名を奪われでもしない限り。 「どうしてそうなる前に出なかったんだ、出口も分かってたんだろ?」 ...
連続廃墟小説 第四話 「奪還」 幸運にも標の指し示す方向に船頭(せんどう)は居た。 船頭と言うには突っ込み所が多すぎるというか、むしろ突っ込み所しか無いような気もするが、 そんな細かい事はもういちいち気にしていられない。 さっそく私の名を奪ったダルマの居場所を尋ねてみる。 「ああ、知ってるさ。知ってるとも」 やった…これで助かる。そう安堵する私を尻目に、 &nb...
連続廃墟小説 第三話 「捜索」 「ああ…忙しい忙しい」 ダルマどものマシンガントークをひたすらかわし続けてしばらく行くと ガシャンガシャンという金属音と共にしわがれた声が聞こえてきた。 声の方向に視線をやると、何か缶をいっぱい背負ってる爺さんがいる。 キツネ顔の少女以外では初めて人に出会った。私は恐る恐る話しかけてみる。 「あの…」 「なんじゃお前は。ワシは今忙し...
連続廃墟小説 第二話 「名前」 私は訳も分からず少女の後をついていく。確かにこの異様な雰囲気のダルマはただ事じゃないし、 目の前の…この子も…狐?人間?何なんだ一体? 「君、名前は?…というか、何?」 キツネ顔の少女はそれを聞いてくるりと振り返ると、ケタケタと笑う。 「何だよ」 「まず、自分から名乗ったらどうだい?」 言われてみれば、それもそうだな。 「ああ、...
連続廃墟小説 第一話 「狐顔の少女」 「おかしい……こんな道通ってないぞ……」 九州は宮崎県にある某廃墟を撮影した帰り道、私は山で道に迷ってしまった。 スマートフォンの電波どころかGPSすら拾えず、 紙の地図を頼りに移動していたら元来た道すら分からなくなってしまった。 これ以上のバイク移動は山深く危険なため、 一旦バイクを降り、徒歩で周囲の様子を確認することにした。...
探訪日 2013年8月24日 伊豆の山中、のどかな田舎の田園地帯に突如として現れる異様な看板・建築群。 以下にこの謎多き物件に迫る。 友人との伊豆旅行の最中、のどかな田園地帯に突如異様な看板群が見えたため、思わず車を停めた。 少し近づいてみよう。 どうやらこの看板から向こう側への立ち入りを禁止しているらしい。 ジオサイトとは“geo-(地球の、大地の) + site(場所)”で「豊富な自然価値に恵まれた場...