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円形ホテル「エノモト」その3【オリジナル物件】

(→より)

廃墟_円形ホテル「エノモト」_円の中心

建物全体は前方後円墳の形をしており、今その「円」の中心に居る。「方」部分がこれまでに見てきた受付と管理者居住区、「円」部分が客間となっている。

そして管理者居住区と客間は、写真のように円の中心部分を介して接続されている。

ホテルの廃墟は数多く訪れたが、これは他ではまったく見ない珍しい造りだ。

廃墟_円形ホテル「エノモト」_風呂

それもそのはず、こんな円形の設計はそもそも無茶なのだ。

そしてその無茶な造りのしわ寄せは、この風呂場に全部行った。デッドスペースがとても多く、すごく狭く使いにくく感じる。

廃墟_円形ホテル「エノモト」_ベッド

寝場所もベッドじゃないことに驚いた。恐らくエアマットを敷いていたのだろう、無駄に窮屈に感じる。

そしてサイズも、どうひいき目に見てもセミダブルくらいしかない。ここに二人寝るの? 無理じゃない?

造りは完全にラブホのそれなのだが、これを見るとそうとも断定しかねるところ。ビジネスホテルと言われれば納得してしまいそうだ。

廃墟_円形ホテル「エノモト」_階段下

円形の弊害はこんなところにも。普通、1階は駐車スペースとして使われているため、階段のせいで部屋が狭くなることはない。しかしこのホテルは各部屋にもれなくこの無駄スペースが設置されている。

ちなみに2階の部屋は施錠されており、入ることはできなかった。

廃墟_円形ホテル「エノモト」_部屋の出入口付近

2階の部屋に付属する非常はしごとみられる設備は、いずれも長さが中途半端だ。はしごは廃墟化した後に侵入防止で切断されることがよくあるが、造りから見てこれはどうも当時からこの長さな模様。

だがこれでは30cmくらいしか稼げてないし、この高さではそもそも不要なのでは? こういうのを「トマソン」と言うのだろうか……随所に設計上の不備が見て取れる。

廃墟_円形ホテル「エノモト」_受付

もう訪れる者も無いホテル。決して鳴ることのない電話。
吹き抜けていく風は寂しく、そうしてただ朽ちていくのを、私は待とう。

(→へ続く)