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【白樺湖グランドホテル】時間さえ凍り付く高原の廃墟

白樺湖グランドホテルの外観

概要

白樺湖グランドホテルとは、長野県の白樺湖畔にある大型ホテルの廃墟である。白樺湖は標高1400mの高地にある人造湖で、夏は避暑地や別荘地として、冬はスキーなどのウインタースポーツの場として、1950年代から本格的な開発が進められた。

その後の高度経済成長と共に、白樺湖は観光地として飛躍的な発展を遂げる。ピーク時の平成3年(1991)には152万人超もの観光客がここを訪れた。しかしその直後にバブルが崩壊すると一転、観光客数は急激に減少。湖畔のホテルでは廃業するものが相次いだ。白樺湖グランドホテルは、そんな廃ホテルを代表する物件のひとつである。

それでは以下に、全7回にわたってエリア別にこの廃墟の探索レポートを紹介する。

内部探索

まだ夜も明けきらぬ早朝の薄明かりの中、その巨大な廃墟は姿を現した。

白樺湖グランドホテル_エントランス

ここに訪れる者がもはや誰もいないことを、滑らかな雪の表面が私に教えてくれている。

白樺湖グランドホテル_ロビー

エントランスからロビーへ。
ホテル内を満たす異様な静けさが、身を切るような空気をより一層冷たくしている。

ふと外に何者かの気配を感じ注意を向ける。

白樺湖グランドホテル_猫とカラス

おっ

白樺湖グランドホテル_猫とカラス_アップ

ヌッコやんけ! モッフモフやで!!!
私の存在にはとっくに気が付いているはずだが、意にも介さずこちらに向かって来る。ストーキングしてくる鬱陶しいカラスにすら一瞥いちべつもしない。そして何よりこの面構え! 厳しい高地での環境を生き抜いてきた強い個体であることをうかがわせる。

結局こいつは、私のそばを悠々と通り過ぎてホテル内のどこかへと消えていった。

白樺湖グランドホテル_滴り落ちる氷

なにもかもが凍りつく世界。
こぼれ流れ落ちる水でさえもその時を停めてしまう。

(→に続く)

【廃墟Data】

状態:健在

所在地:

  • (住所)長野県茅野市北山3419-84
  • (物件の場所の緯度経度)36°06'12.4"N 138°14'14.4"E
  • (アクセス・行き方)中央自動車道「諏訪南」ICより、八ヶ岳エコーライン→国道152号線経由で約35分(25km)