(→「その6:風呂」より)

「スキー乾燥室」なので当然といえば当然なのだが、設備がスキーのものばかりでスノーボードのものが全く見当たらないのが印象的だ。
こうしたスノースポーツのメイン層である若者は、いまや圧倒的にボード派である。せっかくモテるためにウインタースポーツをやろうというのに、誰がダサい昭和のスキーなどやりたがるというのか(偏見)。
そうした時代の流れについていけなかった……否、ついていく前に倒れてしまったであろう事が、こうした設備事情からもうかがえる。

色とりどりの照明やミラーボール……それらが語るかつての喧騒と、廃墟となった現在の静寂が、交互に私の耳に重く響いてくる。
この廃墟は白樺湖や他の現役ホテルからも程近いため、もっと存在を知られていてもおかしくはないのだが、ネット上には全くと言っていいほど情報が見当たらない。少なくともこうして写真つきで解説しているサイトは記事執筆時点で皆無である。
このホテルはまさにバブルという時代がギュッと一つになったような廃墟なので、まるでタイムスリップしたかのような気分になれて探索はとても楽しかった。あの伝説の「でぃすこ」を見られたというだけでも、ここに足を運んだ価値は十分にあったといえる。
(「白樺湖グランドホテル その1~7」 了)
【廃墟Data】
状態:健在
所在地:
- (住所)長野県茅野市北山3419
- (物件の場所の緯度経度)36°06'12.3"N 138°14'14.6"E
- (アクセス・地図)→ その1【廃墟Data】を参照