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【ビッグドン】静かなるイオンの犠牲者

(→「アミューズメントどんどん」より)

【廃墟】ビッグドン_外観

次はもう一つの店舗「ビッグドン」を見ていこう。筋肉もりもりのビッグ・ドンさんの描かれた看板の真下が入口である。

ちなみに向かって右側のちょっと出っ張っているところは、ローソンが入っていた場所らしい※1

【廃墟】ビッグドン_マンガ喫茶 入口

入口から入って左側には漫画喫茶があった。この状況にも関わらず営業中らしい、さっそく行ってみよう。

【廃墟】ビッグドン_マンガ喫茶 内部

……(#^ω^)

【廃墟】ビッグドン_いち麺 入口

エントランスの反対側には「いち麺」という麺処が入っていた。

【廃墟】ビッグドン_いち麺 内部

ゲームしてマンガ読んで、小腹が空けばここで補給して、そんでまたゲーセン行くって訳か……カッペのくせになかなか贅沢な施設じゃないか! 素晴らしいなヽ(゚∀゚)ノ

【廃墟】ビッグドン_いち麺 カウンター

メニューはことごとく色が褪せてしまっていて、時の流れを感じさせる。

【廃墟】ビッグドン_いち麺 蕎麦用の器

麺処の証。

【廃墟】ビッグドン_いち麺 乾燥中のまま放置されたペットボトル

人が働いていた証。

【廃墟】ビッグドン_内部

さて、それではビッグドン内部へ……と思ったら、ここはさっきのドラムマニアの部屋じゃないか。「どんどん」「ビッグドン」という各々の名称から察するに母体は同じ会社で、ビッグドンの中にどんどんのゲーム筐体きょうたいの一部が併設されていたのだろう。


ここまで施設内を見てきて、潰れた要因がなんとなく分かってきた。ここはとにかく場所が悪い。周辺は山林と田んぼが延々と広がり、人の生活の気配はまばらだ。

最寄りの大きな町は私の出発地点でもある秋田市街であるが、国道一本で着くとはいえ車で20~30分もかかる。その割には販売床面積が小さいし、マンガ喫茶も狭い。

また、せっかくのゲームセンターもボリュームゾーンである中高生が一人で気軽に来れるような距離ではないというのが痛い。その肝心のゲームも、末期の2002年頃には世代遅れのものが目立ったようだ(読者コメントより)。

だが最大の要因は、ここよりはるかに手前の御所野ごしょのに巨大なイオンモールがあることだろう。イオンが建って以降、地域住民がわざわざここに来る理由は無くなったと言っていい。

唯一用事があるとすればドライブイン的な要素だが、あのまさに文字通り取って付けたようなローソンはそのために後から設置されたものだろう。だがそうなると客はますます「どん」そのものには用事がなくなってしまう※2

そう……ここもまた、巨大企業イオングループによる地方商店蹂躙じゅうりんの犠牲者なのだ。

(→「Gシステム」に続く)