これまでの記事で見てきた店舗群の裏側には、会社の事務所と思しき建物があった。
うむ、このGシステムという会社が運営母体で間違いないようだ。
これぞ「昭和ニッポンの会社一式セット」って感じだな! 扉も木目で高級感があって良い。
事務所の奥の倉庫には客寄せ用の着ぐるみが……。ゲームセンターということもあるだろうが、遊園地でもないのに客寄せに着ぐるみというのが何とも田舎っぽい。
煌びやかな宴の跡。
奥の角部屋はもちろん社長室。中央の大ガラスが割れて無くなっており、浸水で痛みが激しい。
大層な額に飾られた写真が床に落ちていた。この方が社長? 勲章が3つも……さぞや地元の大名士だったのでしょう。
(※ 追記:勲章は向かって左から、「勲八等白色桐葉章(かつて軍人に広く授与された)」「支那事変従軍記章」「日本赤十字社記章」と思われます。戦時中は軍関係の方だったようですね。コメントより情報提供くださったNo nameさん、ありがとうございました。)
とても社長室らしい蔵書のラインナップ。
バックヤードにはトヨタの高級セダン「セルシオ」が放置されていた。
置いてある場所から考えても社長の車と見て間違いないだろうが、売却するわけでもなくなぜ放置……? 今まで廃墟同様に廃車も数多く見てきたが、まずナンバー付きというだけでも珍しい※1し、その上セルシオって……ここ以外で見たことないよ……。東京や神奈川だったら次の日には車ごと無くなってるよね。
栄えたるものもいつかは滅びる。大切に思っているものもいずれは無くなる。この世は全てうつろいゆくもの。ひとつとして永遠のものなどありはしない。そんな諸行無常、盛者必衰の一端をここに見た気がする。