
これだ、これが見たかったのだ……! 明らかにシュルレアリスムの影響を受けている独特のタッチと画面構成。こうして実物を生で見ていると、絵から発する奇妙な不安感が、廃墟という特別な空間に意図せず置かれたことでさらに高いレベルへ昇華していることが分かる。この絵は廃墟にあってこそだ。
しかし感動してばかりも実はいられなかった。というのも、別の「不安」を煽る懸念事項がひとつ……。私はここまで来て、どうもここは純粋に廃墟というわけではなく今も転用されて使われている可能性があることに気がついた。様々な事情からその理由はあえてここで明言はしないが、いくつか観察される現地の状況から私はその可能性が決して低くはないと判断した。
【廃墟Data】
探訪日:2016年1月上旬
状態:今も別の目的で使用されている可能性が極めて高い
所在地:
- (住所)秋田県男鹿市払戸横長根355
- (物件の場所の緯度経度)39°55'01.2"N 139°55'27.9"E
- (アクセス)男鹿半島の付け根に位置する。下記地図を参照。