
窓から覗くと中はまだ凄く綺麗だった。よくよく見れば椅子の背は禿げているし机にも埃が被っているけど、贅沢を言わなければ翌日にでも営業が再開できそうだ。
外観の雰囲気は既に十分すぎるほど素晴らしいものの、廃墟年齢としてはまだごく初期の物件のようだ。よって今回の探索はここまでとするが、純和風な造りの建物には好感を覚え、これからどのように熟成してくれるのか今から楽しみである。

ちなみに最初の写真で後ろに見えているパステルカラーで雰囲気ぶち壊しな建物は、「港区立箱根ニコニコ高原学園」という学生の夏季合宿などに使われる校外教育施設である。周囲の風景からブッチギリで浮いており、見る者を不安にさせる。
健康的な人間の感情がまるで感じられない作り物のようなノッペリとしたカラーリングや、狂気さえ感じる絶望的な命名センスは、どこからどう見ても完全にイカレた新興宗教団体の施設そのものである。
だが驚くなかれ、ここは「港区役所の公式施設」とのこと。金持ちのセンスはよう分からん……
【廃墟Data】
探訪日:2015年11月下旬
状態:健在
所在地:
- (住所)神奈川県足柄下郡箱根町仙石原189-1
- (物件の場所の緯度経度)35°16'11.0"N 139°00'30.2"E
- (アクセス)「港区立箱根ニコニコ高原学園」に隣接している。下記地図を参照。