
鉄兜を被ったような独特のフォルムが面白い。しかし現在はコストや使い勝手の問題から、サイロの主流はこういった円筒状の建物ではなくなった。
……というよりも建物ですらなく、「ロールベールラップサイロ」といって牧草を直接ラップで包む方法が今では主流となった。雄大な牧草地に白や黒の丸い物体が点々と並ぶ写真を見たことがある方も多いだろう。そうして発酵された牧草を、牛さん達がせっせと食べるわけだ。

そうした時代の流れにより、このサイロも使われなくなったものと思われる。当地では今も酪農が営まれており、サイレージ(発酵飼料)の生産自体は続けられている様子だ。航空写真にはロールベールサイロと思しき物が農場に点々と置かれているのが確認できる。
この様な田舎はしばしば「時が止まったよう」と評されることもあるが、そこに人がいる限り、つぶさに見ればこうして確かに時間は流れているのだ。
【廃墟Data】
探訪日:2015年5月下旬
状態:健在(サイロ) 付随する建物は末期
所在地:
- (住所)北海道苫前郡苫前町岩見92 の隣
- (物件の場所の緯度経度)44°15'24.0"N 141°44'57.8"E
- (アクセス)古丹別市街より国道239号線(霧立国道)を東に進む。古丹別小学校を右手に見て通り過ぎ、国道をそのまま3km弱進んでいくと左手に「岩見ふれあいホール」が見えてくる。そのホールから国道を挟んで向かい側に小さなサイロがある。