北海道の西興部村から滝上町に抜ける際、上藻の辺りで朽ちたサイロが目に止まったので、時間を少し割いて寄ってみた。
サイロの奥には住宅があった。手前の小さな三角屋根はもはや力尽きており、母屋も外壁が顕になっていて今にも崩れそう。
サイロは1つだけでなく、奥にもう1つレンガ造りのお洒落なサイロがあった。これらのサイロに付随していた倉庫と思しき建物は完璧にペチャンコになっていて見る影もない。
母屋の壁が崩壊して盛大に穴が開いている。ここから入ってみよう。
ふむ、酪農家の大家族が住むには丁度よい広さと言えよう。壁に貼られた朽ちかけのカレンダーは1981年の日付けで止まっていた。
奥方の靴だろうか。
ここにも靴。冒頭の外観の写真で見えていた力尽きた三角屋根の所がこの家の玄関だったようだ。
奥の間。
倉庫。塗料や飼料用の薬品などが置いてある。
針金一本あれば作れる、この一切無駄のないシンプルなデザイン! 素晴らしい。
庭にはホタテの貝殻が山積みになっていた。恐らく細かく砕いて飼料のカルシウム源として使うつもりだったのだろう。
ここはホタテの産地であるオホーツク海から車で1時間とかからない場所であり、これは廃棄物を有効に活用する生活の知恵だったと思われる。当時の生活がこうして一部でも垣間見えると、少し嬉しい気持ちになる。
【廃墟Data】
探訪日:2015年5月下旬
状態:健在(母屋・サイロ) 倉庫と思しき別棟は完全に崩壊
所在地:
- (住所)北海道紋別郡西興部村上藻
- (物件の場所の緯度経度)44°14'42.7"N 142°58'14.5"E
- (アクセス)西興部村役場駐車場の東方向への出口を出てそのまま県道137号線に入る。13km弱進んだ先の右手に、サイロ付きの廃屋が見えてくる。