1. 概要
茨城ではかなり有名な心霊スポットである権東の家。「荒川沖の廃墟」と呼ばれることもあるが、実際には土浦市の荒川沖ではなく中にある。
だが、これらはあくまで便宜上の呼び名に過ぎない。この場所を心霊スポットとして有名にした内部に残されたあるものから、人々は畏怖を込めてこの廃墟をこう呼ぶ──終わらない葬式の家、と。
2. 実際に行ってみた

ミニチュアボトルもズラリ。いちいち趣味が高尚であり、簡素な建物の外観とは裏腹に中の人間はかなり豊かな生活を送っていたことが想像できる。
農地の真ん中という場所柄、ここは本家ではなく周辺の農家の離れであった可能性も十分にある。

蔵書のラインナップは小学校高学年向けのもので止まっている。恐らくその時点で家族に何かがあり、娘共々この家を離れなければならない事情ができたものと思われる。
そしてこの廃墟の渾名の由来である家族の遺影は、残念ながら私の探索時点では発見することができず、「既に遺影は失われている」とするネット上の噂通りの結末となった。
遺影が誰のものであったか、そもそも本当に遺影があったのかすらも今となっては分からないが、「葬式の状態のままだった」という話を仮に真実とするならば、それは少なくとも家庭を崩壊させるレベルの非常にクリティカルなものであったことが推察される。そしてそれは娘が小学生の時に起こり、それまでの幸せを一変させてしまった、とても悲しい出来事であった。
【廃墟Data】
状態:国道6号線のバイパス工事に伴って、今後解体される可能性あり
難易度:(高め)
駐車場:なし
所在地:
- (住所)茨城県土浦市中839 付近
- (物件の場所の緯度経度)36°03'12.0"N 140°10'22.7"E
- (アクセス)常磐自動車道の桜土浦ICを降り、料金所を出てすぐ右側「土浦・霞ヶ浦」方面へと進む。すると国道354号線に出るので、すぐ先の国道6号線との立体交差を右折する。その後立体交差と合流してすぐ先の右手反対車線側に日立セメントの大きなプラントが見えてくる。そのプラントのすぐ隣に崩れかけた廃墟がかろうじて立っている。