(→「終わらない葬式の家 その1」より)

蔵書のラインナップは小学校高学年向けのもので止まっている。恐らくその時点で家族に何かがあり、娘共々この家を離れなければならない事情ができたものと思われる。
そしてこの廃墟の渾名の由来である家族の遺影は、残念ながら私の探索時点では発見することができず、「既に遺影は失われている」とするネット上の噂通りの結末となった。
遺影が誰のものであったか、そもそも本当に遺影があったのかすらも今となっては分からないが、「葬式の状態のままだった」という話を仮に真実とするならば、それは少なくとも家庭を崩壊させるレベルの非常にクリティカルなものであったことが推察される。そしてそれは娘が小学生の時に起こり、それまでの幸せを一変させてしまった、とても悲しい出来事であった。