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【御宿町火葬場】窓ガラスに映り込む男性の霊

1. 概要

御宿町火葬場とは、千葉県御宿(おんじゅく)町の山中にある火葬場の廃墟である。人気のない寂しい山道を行くと、峠付近にこの廃墟だけが、ポツリと周囲から隠れるようにして建っている。

これまでも一部の廃墟マニアには知られていた物件であったが、2016年8月に発売された「ほんとにあった! 呪いのビデオ69」という心霊系のDVDに収録されて以降は有名となり、心霊現象の体験談も相次いだ。この廃墟には「髪の長い女の霊がいる」とされ、地元民は近づくことも無いという。

そして何を隠そう「霊感欠乏症」で真夜中でも独りで平気で廃墟に行く私でさえも「何者か」の存在を感じて戦慄した本当に数少ない廃墟が、この火葬場なのだ。そしてついに……

2. 実際に足を運んでみた

火葬棟

ゲートを越え、火葬用の焼却炉が入っている建物の前までやってきた。

今回の探索も、メンバーは自分一人だけだ。太陽はとうに山の向こう側へと沈み、辺りは冷たい暗闇に包まれている。

放置された社

建物の向かい側には小さな社があった。中には仏像が安置されている。

もはや管理する者も無く、草が伸び放題なその姿はかなり不気味である。

浄納塔

そして火葬棟の入口までやってきて、突然私は「何か」を感じ取った。入口の真横にはこの「浄納塔」があって、そのせいかとも思ったが分からない。とにかく何か凄く「嫌な感じ」を受けて、早くこの場を離れたいと思った。

だがせっかくここまで来て、このまま手ぶらでは帰れない。私は勇気を振り絞って火葬棟の中へと入っていった。

火葬炉の部屋

入口を入ってすぐ火葬用の炉が見えた。理由は分からないのだがとにかく先程の入口付近からこの部屋にかけてが「すごく嫌な感じ」で、行くならもう早く次の部屋へ行きたいと思った。なのでこの部屋を撮影した写真もこれ1枚きりである。

そしてこれは現地では気づかず、家に帰ってパソコン用の大きい画面で写真を見たときに初めて気が付いたのだが、窓ガラスの左下に何か白いものが映り込んでいる。

しかし、窓の外には茶色の木と緑色の草以外は何も無いし、部屋の中にもこの角度でガラスに反射して映り込むような白いものは見当たらない。

それで気になってよく見てみようと、写真を明るくしたその時……

火葬炉の部屋(明るさUP)

───!!!

火葬炉の部屋(拡大)

何か居るwwwww なんだこいつwwwwwwww

私には白衣を着たオッサンの姿がハッキリと見えるのだが、これだけだと分からないという方ももしかしたら居るかもしれないので、補助線を引いてみた。

白衣のオッサンの霊

私にはこう見えるんですが……

火葬炉の部屋(拡大)

いるいるいる絶対いる! きもいきもいきもい!!! 何なんだよこの半透明の五分刈りのオッサンは??? 「髪の長い女」って話はどーしたんだよ、共通点1個も無ぇよwww 白衣部分がハッキリ写りすぎてるから、よしんばそこは部屋の反射だとしてもこの顔www

オッサンの霊の目線

あーこれ完全に居ますな……あんまり拡大するとノイズが目立つから、ちょっと引いた方が逆に分かりやすい。

でも確かにハッキリ写りすぎててキモいけど、悪い感じは受けないな。最大の根拠はオッサンがこっちを全く気にしてなくて、火葬炉の方を注視してること。あと顔が穏やかだよ、凄く。

ここからは完全に想像の話だけど、この人は生まれも育ちもこの地元の町医者って感じじゃないかな、見た目的にも。それで、死期を看取った患者の最期が気になって火葬場まで来たと。だから私のことは眼中になくて、炉の方を気にしてた。そういうことなら納得がいく。

ただやはり「この世ならざるモノ」であることには変わりはなくて、このレベルまでハッキリと形を取れば、さすがの霊感欠乏症の私でも第六感で察知して気持ち悪くなった、と。真相としてはそんな所だろう。

(※ もしくは記事コメントより「作業着のジャケットを着た火葬場職員ではないか?」との意見も頂いています)

【御宿町火葬場】火葬室

さて、現地では「ここからが本番!」と思っていたのだけれど、あとは完全にオマケですな。建物の一番奥にあたる、炉の入口がある部屋です。

【御宿町火葬場】火葬炉と火葬台

この部屋は空気がよどんでいるという意味での気持ち悪さはあったが、先ほどの火葬炉の裏側の部屋のような意味不明の気持ち悪さはまったくなく、こうして複数枚写真を撮る余裕さえあった。

火葬炉の内部

炉の内部。私もいつかは必ずここと同じ所に入る事になると思うと、何とも言えない気持ちになる。


私は自分の霊感の無さにはかなりの自信があり、むしろそれを武器に廃墟を巡っている所もある。しかし今までも写真にオーブや光体が写ることはままあったが、今回のようにハッキリと人型が写ることは、12万枚近く廃墟写真を撮ってきて初めての事だった。

「気持ち悪い」という心霊体験も今まで数百ヶ所廃墟を巡ってきてこの火葬場と、あとは福島県にある「17つの家」という廃墟群に夜中独りで行った時のたった2回だけだ。17つの家でも今回の火葬場のような何か強い霊現象が起きていたのかもしれないが、この時は写真を1枚も撮らずに逃げたので今となってはそれを確かめる術は無い。

とは言え私は元々の霊感の無さが幸いして、どんなに最悪でも「気持ち悪い」程度で済んでいる。何か形が見えたり、声が聞こえたりなどは今まで1ミリたりとも無い。

だが今回の件で霊感の強い人が廃墟に行きたがらないという気持ちが良く分かった。しょっちゅうこれではとても廃墟撮影どころではないだろう。

今後も無事に廃墟を旅できることを祈るばかりである。

【廃墟Data】

探訪日:2017年8月下旬

状態:健在

所在地:

  • (住所)千葉県夷隅郡御宿町久保1058
  • (物件の場所の緯度経度)35°11'55.5"N 140°22'00.7"E
  • (アクセス)JR外房線「御宿」駅改札より県道232号線を東方向に進み、「御宿駅入口」交差点を左折して国道128号線(外房黒潮ライン)へと入る。交差点から1km強道なりに進むと、「石井工務店」の手前で国道の坂道を左下に逸れる道があるので、左折してその道へ入る。住宅街を抜け、山道を進んでいくと清掃センターへと続く道が左方向に分岐するT字路に差し掛かる(国道を逸れてから650m程の地点)ので、そこを直進する。T字路から約50m進むと左側に「御宿町火葬場」のプレートと建物が見えてくる。駅からここまでゆっくり歩いても30分ほどなので、公共交通機関と徒歩のみで行くことも十分可能な廃墟である。