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【WANぱく館】GSを改装したペットショップの廃墟

【WANぱく館】外観

1. 概要

千葉県の御宿おんじゅく町にあるペットショップの廃墟。「WANぱく館」という名前や店舗の様子から、主に小型犬を扱っていたと思われる。外観からはガソリンスタンドを改装したものであることがうかがえるが、こういった転用は非常に珍しい。

ロケーションはどこにでもあるような田舎の町外れの国道沿い、といった所である。しかしガソリンスタンドはともかくとして、どうしてここでペットショップなど開こうと思ったのかはなはだ疑問に思う。こうなることは開店前から十分に予測できたはずであり、「どうしてもやってみたかったから」以外の理由が私には思いつかなかった。

ペットショップでは動物たちのひどい待遇がたびたび問題になっている。当然発生するであろう売れ残りや、万が一の廃業後のペットたちのゆくえを考えたら、私のような動物好きにはペット店の経営などとても勤まるものではない。犬や猫を「商売道具」として割り切れるある種の資質が要求されるだろう。

2. 実際に足を運んでみた

国道側より外観

千葉県は房総半島、太平洋側を縦につらぬく主要国道沿いにその廃墟はある。

仔犬直販・トリミング・ペットホテル 看板

子犬の販売、トリミング(毛のカット)、ペットホテル、この3つを主なビジネスにしていたようだ。

【WANぱく館】Welcomeアート

かわいい仲間たちがお出迎え(猫がいない……)。

麓側より外観

店の外観を別角度から。

エントランス付近

こちらも犬ばかりだ。

ペットのポスター その1

そしてようやく見つけた猫😺 店じゅう犬だらけの中、「ウォーリーをさがせ!」みたくなってしまっている。

ペットのポスター その2

写真中央の"D&C" というのは "Dogs and Cats" の略だろう。語順は逆のほうが自然(日本語で「猫犬」と言うと違和感があるのに近い)だが、やはりこれも犬を主に扱っていたからだろう。

ちなみに非常に仲が悪いことのたとえとして「犬猿の仲」と言うが、「犬と猿」の組み合わせが用いられるのは世界的にも珍しく、日本と韓国くらいである。

他の大多数の国では「犬と猫」が仲の悪いものとされ、たとえば英語圏では "They are like cats and dogs.(直訳:彼らは猫と犬のようだ)" のように言う。

PETホテルに改装されたPIT

"PIT" は "PET" ホテルとして改装されていた。

ペットホテル内部

ホテル内にはキャビネットや犬猫用のケージ(檻)が残されていた。

備え付けられたシャワー

トリミング(毛のカット)の後はこれでシャンプーして毛を洗い流していたのだろう。店の様子は完全に猫ではなく犬の利用を想定している。

店舗側より看板

──猫好きにとっては、やや肩身の狭い廃墟であった。

【廃墟Data】

探訪日:2017年8月下旬

状態:健在

所在地:

  • (住所)千葉県夷隅郡御宿町六軒町51-1
  • (物件の場所の緯度経度)35°11'40.7"N 140°21'52.9"E
  • (アクセス)JR外房線「御宿」駅改札より県道232号線を東方向に進み、「御宿駅入口」交差点を左折して国道128号線(外房黒潮ライン)へと入る。交差点から1.3kmほど道なりに進むと、右手国道脇に「犬 猫」という文字が屋根にペイントされたガソリンスタンド風の建物が見えてくる。