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旧志津小学校青菅分校 ~廃校の桜~

旧志津小学校青菅分校 ~廃校の桜~

1. 概要

千葉県佐倉市の新興住宅地であるユーカリが丘にひっそりと眠る、木造の分校跡。写真の校舎は、昭和30年(1955)に志津小学校の第二分校として建てられたものである。当時はまだ「青菅分教場」と言えば、ここより西方にある第一分校を指していた。

それから6年後の昭和36年(1961)、第一分校が独立して上志津小学校となる際に本第二分校は現名称へと改められた。そして昭和52年(1977)3月をもって、青菅分校は廃校となる。

使われなくなって40年以上もの時が経つ木造の建築物であるが、その割には保存状態がとても良い。これも地元有志の努力の賜物であろう。

都市部からのアクセスも比較的良く、地方の山奥まで繰り出さずとも気軽に見ることのできる「分校の木造校舎」として大変貴重な存在である。

2. 探訪

零れんばかりに枝に花をつけた桜

そして、この廃校では毎年春になると、校庭の桜がそれは見事な花を咲かせる。今年も枝からこぼれんばかりの満開だ。

この日分校に見学に来ていた若い女性2名

この時期の分校には老若男女、数多くの見学者が訪れる。残念ながらこの日は天気があまり良くなかったがその分風が強く、桜吹雪となるたびに皆から「わぁ!」という歓声が上がっていた。

昇降口脇の桜が実に見事

学校に桜はつきものであるが、これほど見事な一本桜もなかなか珍しいのではなかろうか。

昇降口脇の桜 近景

この一本桜のすぐそばが、校舎の昇降口である。

旧志津小学校青菅分校 昇降口と桜

昇降口側からの眺め。屋根に付いている丸っこい照明が可愛らしい。

富士通と書かれたブレーカー(?)

"FUJITSU"ではない富士通がこんな所に! 生まれて初めて見たかも。

今ではすっかりパソコンなどのIT機器メーカーのイメージだが、これはブレーカー(ヒューズ)か何かだろうか。こんなものも造っていたのか。

旧志津小学校青菅分校 廊下

校舎内部の様子。廊下に吊り下げられた照明がお洒落。

旧志津小学校青菅分校 教室内

教室内はガランとしていて、机など当時のものはほとんど何も残されていない。

教室の窓からは外の桜が見える

かつて生徒たちが見たであろう同じ桜を、同じ窓越しに自分も今この目で見ている。

当時物のガラス越しの世界は不規則にゆがんだ独特の光景を見せるが、今の技術でこういう低品質なガラスを作ることはむしろ難しいらしい。木製の窓枠だって、今作ったらアルミよりかなりコストが嵩むだろう。

もはや再現のきかぬ過去の情景を臨む──なんとも不思議な気分である。

【廃墟Data】

探訪日:4月上旬

状態:健在・管理物件

所在地:

  • (住所)千葉県佐倉市青菅148
  • (物件の場所の緯度経度)35°44'50.4"N 140°09'14.4"E
  • (アクセス・行き方)ユーカリが丘線「中学校」駅から徒歩15分(約1.2km)。駅を出て右に行き、「井野商店」の角を右折。その先のローソンの駐車場側の角を左折する。住宅街の中を300mほど行き、右手に見えてくる青菅小学校(現役の学校)のグラウンドの角を右折する(特に案内等もなく目印も無いので分かりづらい。青菅小の校門の前まで行ってしまうと行き過ぎなので注意)。青菅小の校庭の横を通り過ぎてゆき、次の十字路を右折。十字路から100mほど行ったところで、左手に青菅分校の木造校舎が見えてくる(「火の用心」「佐倉市消防団第2分団14部」などと書かれた消防団の建物と同じ敷地内にある)。