1. 概要
高野山「奥之院」のさらに山奥に位置する秘境、奥高野。ここに野迫川という村がある。この村のさらに外れ、池津川と呼ばれる地区は世帯数16世帯、総人口数はわずか25人※1という人口減少が特に激しい僻地である。ここに、古い木造の小学校が建っている。
ここであえて「廃校」と言わなかったのは、あくまでもまだ休校扱いだからだ。休校年は昭和54年(1979)。休校間際の昭和51年度(1976)の時点で、生徒数は全学年合わせてたったの7人であった。事実上の廃校と言ってよく、再開の見込みはまったくない。
冒頭の写真は池津川小学校の裏庭に今も咲く桜。左の建物が校舎で、右が炊事小屋(給食室)である。この日は天気がめまぐるしく急変し、それまではポカポカと陽が射して穏やかな陽気だったのがその5分後には大粒の雪となるなど、奥高野という土地の自然の厳しさが肌で感じられた。
2. 探訪
【廃墟Data】
探訪日:2018年4月上旬
状態:健在
所在地:
- (住所)奈良県吉野郡野迫川村大字池津川347
- (物件の場所の緯度経度)34°10'33.9"N 135°40'03.8"E
- (アクセス・行き方)高野山奥之院、中の橋駐車場より、国道371号線(高野龍神スカイライン)を「龍神」方面へと進む。8.6km先で県道734号線と接続する「野迫川口」交差点へと差し掛かるので左折して県道に入る(交差点には「歓迎 野迫川村」などの分かりやすい案内がある)。2.5km先、突き当たりのT字路を左折して県道733号線を「立里荒神社」方面へと進む。500m先で再度県道734号へと接続するので、右折して「宇井」「池津川・辻堂」方面へと進む。そのまま4.4kmほど進むと池津川の集落に到着する。
なお、県道734号線を逆側(東側)から辿って池津川へと来るのは道が狭く急峻なためお勧めできない。どうしても西の高野山側からではなく東側から来るのであれば、北の県道53号線を使って迂回してくるのが良いだろう。