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旧上岡小学校 ~廃校の桜~

旧上岡小学校 廃校の桜 昇降口前

1. 概要

旧上岡小学校(きゅううわおかしょうがっこう)の創立は明治12年(1879)、設立当初の生徒数は51名であった。現存する建物のうち最も古いものは、明治44年(1911)に建てられた写真の校舎である※1

昭和35年(1960)には生徒数278名と最盛期を迎えるが、その後は減少を続け、平成13年(2001)に閉校。閉校時の生徒数は36名であった。

閉校以後は、明治の面影を今に伝える貴重な木造校舎として注目されるようになる。NHKの「夢みる葡萄」を皮切りに数々の映画やドラマのロケ地として用いられ※2、平成26年(2014)には国の有形文化財に登録された※3

現在は地元有志の組織「上岡小跡地保存の会」により維持・管理がなされている。

2. 探訪

満開の桜の下の旧上岡小学校 その1

今日は長いこと待ちわびた、週末と桜の満開が重なる絶好のタイミング! しかし、あいにくの空模様である。

構内のギャラリーに飾ってあった晴れの日の作例

本当はこういう画を撮りたかったのだ!(写真は旧上岡小内のギャラリーに飾られていたもの)。やはり桜は晴れてナンボだと思う。

そしてこの理想の画との大きな違いがもうひとつ。それは──

桜の咲く校庭には所狭しと車が駐まっている

この人だかりである。校庭には所狭しと車が駐まっていて、校舎を撮るのに角度をどう工夫しても車が写り込んでしまう /(^q^)\

どうも「ガールズ&パンツァー」という有名アニメ作品の舞台になったらしく、一見してそれ目当てと思しき方々がそこかしこに。

旧上岡小学校はドラマや映画の舞台としても使われている観光地だとは聞いていたが、この人出はさすがに予想外だった。

※ 追記:その後ガルパン劇場版を視聴しました。「校舎の備品までそのまんまだなwww」などと、普通とは別のところで盛り上がってました。

満開の桜の下の旧上岡小学校 その2

まぁ、気を取り直して校舎を見ていこう。

昇降口の時計と桜

(▲ 昇降口の時計と桜)

校舎前の丸いポストと花壇

(▲ 校舎前にはレトロな丸い郵便ポストがあった)

旧上岡小学校 教室内

(▲ 温かみのある木の机と椅子)

春の日の校舎

校舎の中をしばらく撮影していると、にわかに晴れ間が見えてきた。教室の窓からは、校庭に咲く満開の桜が暖かな陽に照らされてキラキラと輝いているのが見える。

やはり、よく晴れた明るいイメージがこの校舎にはよく似合う。

旧上岡小学校の第一棟と第二棟をつなぐ階段

旧上岡小学校の校舎は大きく上下の2棟に分かれていて、中央がこのように階段で繋がれている。

今まで見てきたのが下にある第一棟で、明治44年(1911)に建てられたもの。この先にあるのが第二棟で、昭和12年(1937)に増築された。内部には講堂と音楽室がある。

旧上岡小学校 講堂

(▲ 講堂)

旧上岡小学校 音楽室

(▲ 音楽室)

春の陽が差し込む音楽室。ピアノの鍵盤には陽光が反射している。窓の外は満開の桜だ。

音楽室からも大きな桜の木が見える。

校舎の中に居る間は外がよく晴れていて、明るい雰囲気で撮影することができた。それに気分を良くした私は、じゃあ学校の外を撮り直しますか! と意気揚々と外に繰り出した。

すると辺りは瞬く間に曇り始める。そして、この日二度と空が晴れることは無かった。

つかの間の夢であった……😭

【廃墟Data】

探訪日:4月上旬

状態:国登録有形文化財(開館時間:日土祝 9:00~16:00、見学料:無料、校舎内見学:可)

所在地:

  • (住所)茨城県久慈郡大子町大字上岡957-3
  • (物件の場所の緯度経度)36°46'41.4"N 140°19'37.6"E
  • (アクセス・行き方)水郡すいぐん線の常陸大子ひたちだいご駅からバスで5分。「大子駅前」バス停より乗車、「旧上岡小学校前」バス停にて下車。自家用車で向かう場合は、常磐自動車道「那珂なか」ICより国道118号線経由で約1時間。