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ラムネ温泉

ラムネ温泉(鹿児島県霧島市) 源泉の湧く小屋の内部

1. 概要

鹿児島県の新川渓谷にある「ラムネ温泉旅館」の跡地。創業は明治38年(1905)。すでに本館は現存せず、現地にはかつての源泉だけが今も滾々こんこんと地下から湧き出している。

「ラムネ」の名を冠しているのは、泉質が炭酸ガスを含む発泡性の湯だったため。この種の温泉は全国的にもかなり珍しい。有名な霧島温泉郷と同じ市内にあるが場所そのものはやや離れており、泉質も全く異なる。

現在は国道を道なりに2.5kmほど北へ行った所に「ラムネ温泉 仙寿の里」が営業している。写真や口コミを見る限りこの廃墟と泉質や堆積物がよく似ているので、同じ地下水脈から湧き出しているものと考えられる。

2. 実際に足を運んでみた

ラムネ温泉旅館敷地跡

ラムネ温泉跡地。往時はここに旅館が建っていたはずだ。

鹿児島交通「ラムネ温泉」バス停

今はバス停と渓谷に架かる橋の名前(ラムネ橋)にだけ、当時の名残を留めている。

ラムネ温泉旅館跡 源泉の湧く小屋

更地になった旅館敷地を突き進むと、その一番奥に源泉の湧き出す小屋が残されている。

ラムネ温泉(鹿児島県霧島市) 流れ落ちる源泉

炭酸泉は高温になるとガスが抜けてしまうため、湯温は低いものが多い。この廃墟の源泉も、湧き出している穴に手を突っ込んでみたが、冷たくはないが特に温かくも無いという程度であった。

ラムネ温泉(鹿児島県霧島市) 湯の華アップ

その一方で、炭酸のシュワシュワは一切感じられない。炭酸泉として見た場合このガッカリ感はハンパではなく、ここが廃墟化した要因にもなっていると思った。

同じ九州の大分には肌が気泡で覆われるほど炭酸が濃い温泉(長湯温泉)があるので、どうせ行くならそちらに行こうとなるだろう。

ラムネ温泉旅館跡 源泉の湧く小屋と飲用不可の注意書き

飲んでみれば炭酸を感じられるかとも一瞬血迷ったが、完全自己責任でありとてもその勇気は無かった。温度はぬるく湧出量も少ないので実際細菌がヤバいであろうことは想像に難くない。

温泉としてはガッカリな印象が否めないが、廃墟としてはとても良い雰囲気の場所であった。「廃墟となった後も人知れず当時のまま細々と稼動し続ける何か」というのは言い知れようの無い廃墟ロマンを掻き立てる。

ラムネ温泉前の廃屋

所変わって、ラムネ温泉の敷地の正面にあった民家風の廃墟。

ラムネ温泉前の廃屋 玄関から見た部屋の内部

従業員の宿舎か何かかな? と思ったが、中に何も無さ過ぎて判別不能。

ラムネ温泉前の廃屋 廊下

恐らく関係ない廃墟だが……近所にあったオマケの廃墟ということで。

【廃墟Data】

状態:管理物件

所在地:

  • (住所)鹿児島県霧島市牧園町宿窪田
  • (物件の場所の緯度経度)31°49'46.9"N 130°44'16.2"E
  • (アクセス・行き方)鹿児島空港より県道56号線経由で車で約10分(5.8km)。