1. 概要
畑トンネルは埼玉県飯能市の山中にある心霊スポット。そこに至る道も現在は通行止めになり廃道となっている。
心霊スポットとしては近隣にある旧吹上トンネルの方が有名すぎることもあって、元々は「そんな所もあったね」程度の場所であった※1。筆者の探索時点でも、地元民でもなければ場所を調べるのにも一苦労するというありさまだった。
しかし近年は心霊系のYoutuber?の影響なのか異様にこの場所が持ち上げられており、Googleマップにも場所が載って何十件もの投稿が寄せられる事態となっている。畑トンネルが心霊スポットと化した当初の活況を、令和になり奇しくも取り戻したようだ。
また、有名だった旧吹上トンネルも今では照明が換えられてしまって雰囲気がぶち壊しになったことも、畑トンネルが最近持ち上げられている要因になっているのかもしれない。
心霊的な噂としては主に「人面犬」と「見ると死ぬ天井のシミ」※2の2つが知られている。特に人面犬はここが発祥の地とも言われ、時期的にも符合する(昭和64年~平成2年)ものの、人面犬の発祥自体に諸説ありこの説も定かではない。
2. 実際に足を運んでみた
3. 畑トンネルの歴史・廃墟化の経緯
畑トンネルは今でこそ通行止めになり街道の出入口も封鎖されてしまっているが、かつては東京の青梅と埼玉の飯能をつなぐ重要な交通路であった。両地は山と川で隔てられており、トンネルができるまでは険しい峠を越えるか、下流の方まで迂回して川を渡るしかなかった。そのため畑トンネルが完成した際は、地域住民には大変喜ばれたという。
昭和62年(1987)に山を直進するバイパスができてからはその重要度は下がったものの、なお現役のトンネルであった。それが閉鎖の憂き目にあったのは、平成に入り産業廃棄物の不法投棄が目立ち始めた※3ためである。
バイパスの完成で交通量が減り、人目につきにくいことに目をつけられたのだろう。畑トンネルは平成8年(1996)に通行止めになる。その後土砂崩れなどもあり、街道そのものが完全に閉鎖されてしまった。
しかし先述の通り、この隧道は地域の発展に多大な貢献をもたらしたトンネルである。埼玉県内では初となる煉瓦覆工のトンネルということもあって、歴史的価値のある史跡として現在も取り壊されることなく残っている。
【廃墟Data】
状態:健在
所在地:
- (住所)埼玉県飯能市下畑
- (物件の場所の緯度経度)35°50'41.9"N 139°17'37.1"E
- (アクセス・行き方)圏央道「青梅」ICを降り、料金所を出て2つめの信号の「青梅インター入口第二」交差点を右折して都道44号線(岩蔵街道)へと入る。4kmほど進むと「新岩蔵大橋」交差点で44号線は終わるので、そこを右折して都道28号線(小曽木街道)を「飯能」方面へと進む。2kmほど進むと「下畑」交差点に着き、直進して193号線に入ると畑トンネルへの南側からのアプローチ、右折して山を越えると北側からのアプローチとなる。なお、どちら側も駐車場は無い。
アクセスとしては、山道を長く歩かなければならないが南側からの方が楽だろう。北側はトンネルからは近いものの、道路の一部が現役のクリーンセンターの敷地となって封鎖されている。そのため北側から入るには隣接の公園(あかね公園)から森を強引に突破するしかないが、時期によってはこれも無理があると思われる。