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ホテルセリーヌ(妊婦絵の廃墟・長野の心霊スポット)

ホテルセリーヌは長野県にあるラブホテル(モーテル)の廃墟。ここは不気味な妊婦の絵が壁に描かれていることであまりにも有名である。インターネットの普及以前から市販の廃墟本などでも取り上げられており、長野県内はおろか全国的にその名が知れ渡っている。

その知名度に比例するかのように、ここには数々の心霊的なうわさ話が絶えない。その中でも最も代表的なのが「妊娠を苦に自殺した少女の話」だろう。

そのあらすじはこうだ──ある時若い女性がこの廃墟に連れ込まれ、男数人にレイプされてしまう。そしてその後妊娠が発覚し、女性はその現実に耐えられず自殺してしまった。以来、このホテルでは自殺した少女の霊が頻繁に目撃されるようになる──

他にも「駐車場で発生したホームレスのリンチ死事件」や「話しかけてくるオーナー夫婦の写真」など枚挙にいとまがない。そもそもこの妊婦の絵をいったい誰がどんな目的で描いたのかも全くの謎であり、ホテルセリーヌは信州最恐の心霊スポットとして今もこの地に君臨し続けている。

ホテルセリーヌ(心霊スポット) 国道18号線上、南側からの外観。筆者のバイクを左手の小道に駐めている。

長野県の中央を縦につらぬく国道18号線を北上する。そして妙高の野尻湖を過ぎたあたりの峠で、それらしい廃墟を見つけた。道路脇にバイクを寄せ、さっそく近づいてみよう。

ホテルセリーヌ(心霊スポット) 国道18号線上、南側からの外観。「セリーヌ」のオレンジ色の文字が外壁に飾られている。

よし、当たりだ! 廃墟の壁には大きく「セリーヌ」の文字が踊っている。

国道18号線側から見えるホテルセリーヌの紫色の格子状の窓。今にも落下しそうだ。

外についている窓は今にも崩落しそう。このあたりは長野でも屈指の豪雪地帯なのだ。

ホテルセリーヌ(心霊スポット)の国道とは反対側の外観。駐車スペースと、客室へと繋がる階段がずらっと並んでいる。

建物の裏側に回ってきた。このタイプのモーテルは建物の下に車の駐車スペースがある。そして車を降りて横の階段を上がるとそのまま部屋に入れる、という仕組みになっている。

ホテルセリーヌの階段のドアに書かれた「死ぬぞ」「死ぬか」の白文字

心霊スポットらしい警告。

ホテルセリーヌ(心霊スポット)の赤く彩られた客室。中央にはベッドが置かれ、風呂場との間を仕切るガラス窓は割られている。

ありがたく警告を頂戴しつつ階段を上がると、そこは魅惑の部屋だった。ベッドからは大きなガラスごしに風呂の中が見えるようになっており、往時は生々しいエロスをこれでもかと演出してくれたことだろう。

ホテルセリーヌの客室の天井に備え付けられたおしゃれな照明。

照明もなまめかしく輝いていたに違いない。

ホテルセリーヌ「人妻いずみ」の膝立ちのけ反り絵(0258-22-2319・妊娠9ヶ月・初産妊婦)。「オーマンコ マンコ」「真也参上!」などと赤く落書きされている。

そしてホテルセリーヌといえばやっぱりコレ! 壁に描かれた数々の怪しい妊婦絵である。

ホテルセリーヌの人妻いずみ(妊娠9ヶ月)と坊主のオッサンの絡み絵「究極の妊婦SEX」。

どうも絵の作者は妊婦の不倫中出し流産プレイの超絶マニアとか言うどうしようもない人物らしく、ひたすらこのテーマの絵だけを廃墟じゅうに描きまくっている。【究極の妊婦SEX】とかいうパワーワードには、妊婦に対する作者の並々ならぬ情熱を感じてならない。

ちなみにモデルの女性には何人かいて、彼女は「人妻いずみ」である。電話番号は0258-22-2319で1発5万円らしいが、本当にTELした勇者は果たしてこれまでいるのだろうか……

ホテルセリーヌの妊婦「人妻いずみ(0258-22-2319)」と坊主男のSEX。

別の場所にも人妻いずみさん。今度は強姦シチュらしいが、先ほどの絵と構図は全く同じである。線の角度や位置・数までもが気持ち悪いくらいに一致し、線そのものにも引き直した跡というか迷いのようなものは一切感じられない。

なので、何か参考となる絵や写真を見ながら描いたのかと一瞬思ったが、左右反転……だと……?

こういう細部への深いこだわりやら、芸術への素養、描く絵の異常なまでの再現性、同じものの繰り返し、鏡絵、特殊な性癖など、なんとなくある種の精神疾患を想起させる。

ホテルセリーヌ(心霊スポット)の小さいほうの客室

他の部屋ものぞいてみた。この部屋は最初の部屋よりも明らかに狭い。あの部屋はいわゆるスイートだったのだろうか。

ホテルセリーヌの赤く小さな会計窓

部屋に備え付けられた会計用の小窓。ラブホテルという特性上、プライバシーに配慮して顔が見えないようにかなり小さな造りになっている。

ホテルセリーヌの「新井良子」の妊婦絵(24才・新妻)。

2人目のモデルの新井良子さん(24歳・新妻)が「いらっしゃいませ」と出迎えてくれた。彼女は義父の子供を孕んでしまったらしく、乱暴に突いて流産させてほしいらしい。

ホテルセリーヌの妊婦「新井良子(24才・新妻)」さんが、お腹を裂いて中にいる赤ちゃんを確認している絵

新井さんはご主人の出張中に義父に犯されて、その後義兄にも弄ばれたらしい。出張前にはご主人とも愛し合ったそうで、お腹の子が誰の子供か分からない。なのでお腹を裂いて確かめてほしいとか言いだす真性のガイっぷり。

そして結局、お腹から出てきたのは夫の子供ではなく「黒い」赤ちゃんだった──そんな素晴らしい・・・・・アイデアを終盤になって思いついた作者は、あわてて後から義兄を塗りつぶして黒人に書き変えたと見える。

この時点で読者の99%は置いてけぼりだ! 先生ェ……

ホテルセリーヌの妊婦絵「江口友恵」さん(24才・OL)。「このベッドで三人の男に乱交されて妊娠したのよ。誰の子供か分からないの」

彼女の名は江口友恵(24歳・OL)。さっきまでのアライさんとの違いが分からんw そして先生は24歳設定にも何かこだわりがあるのか……?

ホテルセリーヌの妊婦絵「江口友恵」さん? 「このモーテルわなぜかこんなお腹の女性で万員だわ。私の他に何百人の女性が妊娠したのかしら」

それは先生が節操無く描きまくったからですよwww

ホテルセリーヌ(心霊スポット) 回転ベッドのある客室

お、回転ベッドか!? これがかつて日本のラブホテルを席巻したとかいう伝説級の遺物か……! この廃墟本当にすごいな!

ホテルセリーヌの「くらしげ洋子」さんからの「妊娠9ヶ月妊婦のお願い」。

そしてこの回転ベッドの上にも居た。彼女は「くらしげ洋子」さん。「妊娠9ヶ月・男が3人・誰の子供か不明・乱暴に突きまくって流産させて!」……というのがどうやら先生的にはどうしても外せないポイントらしい。

ガラスに描かれていたホテルセリーヌの妊婦絵は割られて失われてしまった。

あぁ……この作品はガラス窓に描いてあったため失われてしまったようだ。まったく、人類の損失ですよこれは!!!

ホテルセリーヌ(心霊スポット)に飾られていた赤い人形のオブジェ

ヒェッ……そういえばここって心霊スポットだったな……妊婦の絵に夢中になりすぎてそんな事すっかり忘れていた。

霊感のない私にとって探索のメインは必然的に妊婦画であったが、絵だけでなくそこに添えてある文章も独特でなかなか読ませるのがニクい。先生は絵の才能だけでなく、文才もおありだったようだ。

ホテルセリーヌの国道とは反対側の南側からの外観と、赤いジャケットを着た男。

ホテルセリーヌは軍艦島と同じくいつか絶対に行きたい廃墟のひとつだったので、今回こうして訪れることができて本当によかった。この探索ももう大満足である。これからもこの廃モーテルは日本の廃墟フリークたちを魅了し続けることだろう。

【廃墟Data】

状態:健在

所在地:

  • (住所)長野県上水内郡信濃町大字野尻3635
  • (物件の場所の緯度経度)36°50'47.3"N 138°11'54.3"E
  • (アクセス・行き方)上越自動車道「信濃町」ICより、国道18号線経由で約6分(4.5km)
    料金所を出ると高速出口のT字路で国道18号線と接続するので、左折して「上越・妙高・野尻湖」方面へと進む。そのまま国道18号線を4km弱進み野尻湖を越えて峠を越えたあたりで、左方向にホテルセリーヌの廃墟が見えてくる。