1. 概要
「ホワイトハウス」と呼ばれる心霊スポットは全国各地に点在するが、そのうち茨城県ひたちなか市に存在するのがこの廃墟だ。ホワイトハウスはこの茨城のものと千葉・新潟のものが特に有名で、これら3つを合わせて日本の三大ホワイトハウスと言っても差し支えないだろう。
この茨城のホワイトハウスで起こる心霊現象としては「2階の窓のあたりにランドセルを背負った少女の霊が見える」というのがよく言われる。他にもここで一家惨殺があったという噂があるが、その真偽のほどは定かではない。
ちなみにこの「少女の霊」や「一家惨殺」の話はどのホワイトハウスにも共通したエピソードである※1。そのため「最も有名な新潟のホワイトハウスがオリジナルで、茨城と千葉はその派生に過ぎないのではないか」とする考察※2も一部存在する。
2. 実際に足を運んでみた

茨城県を流れる那珂川の支流沿いにその廃墟はある。
川沿いには田んぼや畑があり、それを取り囲むようにして閑静な住宅街が広がっている。だが本来は宅地のない側である田畑のど真ん中に、突如としてぽつんと一軒だけこの家が現れるのだ。加えて見た目がこの草だかりなので、この周辺だけかなり異様な雰囲気を放っている。

1階玄関から入ってまず見えるのが、この暖炉とピアノのある居間だ。壁のモルタルがはがれて中のコンクリートブロックが一部むき出しになっている。
このCB造(コンクリートブロック造)はあまり一般的ではないが、デザイン性の高い一軒家に採用されることがある。住宅用として最も一般的な木造と比べて建築費はかさむものの、デザインの自由度が高く耐火性にも優れている。
まあ、要するにここは金持ちの家ということだ。

茨城のホワイトハウスで有名なこのアップライトピアノ。以前は壁に沿ってちゃんと立っていたはずだが、もはやその力すら失ってしまったのか……
そして建物内にはそこかしこに火災の跡が見受けられる。もしこの廃墟が木造だったらとっくに跡形も無くなっていただろう。

さて、この廃墟は2階建てであるが、中の階段は無くなってしまっている。だがどうにかして上に上がれないものかと周囲を探索していたら、建物の外にこの鉄階段を見つけた。
それにしてもこれは……踏み板がことごとく錆び、かろうじて残っているものも根元だけがわずかに側桁に繋がっている状態だ。まともに体重をかければ、まず間違いなくそのまま踏み抜くだろう。
まぁ、栃木の心霊スポット「ブルースカイ」の階段よりは手すりがある分いくらかマシである。
【廃墟Data】
状態:健在
所在地:
- (住所)茨城県ひたちなか市大字田彦535
- (物件の場所の緯度経度)36°24'59.7"N 140°30'42.5"E
- (アクセス・行き方)北関東自動車道「水戸南」ICより国道6号線経由で約20分(11km)。
高速出口の「水戸南IC」交差点を左折して国道6号線を「土浦・筑西・水戸市街」方面へと入る。1kmほど進むと「酒門町」交差点で国道50号線へと接続するので、そこを右折して引き続き国道6号線を「日立・東海」方面へと進む。9km強進むと県道172号線との分岐を示す青看板(道路案内)が見えてくるので、その看板から25mほど手前のわき道に左折して入る(※ 特に目印はないので注意)。そこから200mほど進むと右手に墓地、左手に畑が見えてくる。茨城のホワイトハウスはその畑の向こう側に木々に隠れるようにして建っている。