1. 概要
トダ屋は千葉県にある電波物件の家屋。住宅兼商店だったようだが、現在営業している様子はない。近所にこんな場所があったら目立ってしかたないと思うのだが、かなり田舎の方にあるためかインターネット上でもほとんど言及が見られない(2020年現在)。超有名物件である埼玉県の落書きの家とはひどく対照的だ。
そして見ての通りその「電波」の方向性も、落書きの家とは対をなすものである。落書きの家はドロドロとした負の感情が渦巻く怨念の地そのものという出で立ちであったが、このトダ屋さんは底抜けに明るいハッピーさであふれ返っている。
おそらくこの店の主人の脳内世界が頭蓋骨の中に収まりきらず、自然とあふれ出てきてしまった結果こうなったのだろう。そして描かれた独特の図柄からは、ご主人の芸術への並々ならぬ才能が感じられる。
2. 実際に足を運んでみた
(▲ 静かな田舎町の一角にある「トダ屋」さん)
(▲ 通行人に見せつけるように、道路側にディスプレイされた看板たち)
(▲ う~ん、独特……)
(▲ 色使いは赤や黄色など明るいイメージのものが多い)
(▲ 五円玉が頬に貼り付いたカワイイ子犬。おでこにはハートマーク)
(▲ 京都五条大橋での弁慶と牛若丸の対決を描いた一枚。味のあるタッチで中々良い。しかしなぜ月に「月」って書いたし(笑))
(▲ 88歳?の大黒様)
(▲ 「会。」)
(▲ 「7月」は富士山の山開き、「11月」はダイヤモンド富士のことをそれぞれ表しているものと思われる)
(▲ 道路側より建物正面をみる。軒先に踊る「トダ」の文字はご主人の苗字でもある)
(▲ 入口はシャッターが開けられている。もう営業はしていないものの、今も現役で人が住んでいる)
(▲ ここにも相撲取り・「乙女に報告」・歌う人・ちょうちん。これらがご主人お気に入りのモチーフのようだ。そして「笑顔にしたい」という一文にここの全てが集約されている気がする。)
(▲ トダ屋さんの前を通る軽トラ。もはや気にもしていないようだ)
(▲ 鬼の左目にキューピッドの矢が刺さっている。左目を矢で射抜かれた鬼といえば岡山の温羅という鬼が有名。一説にはこれが桃太郎の物語の元になったともいわれる)
(▲ ここが通学路という衝撃。この店の前を毎日通る子どもたちはいったいどう思っているのだろうか……)
しかし、ここにあるのがあの教育に悪そうな落書きの家ではなく、このトダ屋さんで本当に良かったと思う。もしかしたら子どもたちを喜ばせようとして、ここのご主人が描いたものなのかも知れない。