浅間園展望台とは、群馬県の活火山「浅間山」のすそ野にかつてあった観光施設の廃墟である。
探索時期は2008年とかなり古いが、浅間園も最近は全面板張り&監視カメラ付きで探索が事実上不可能になってしまったらしく、追悼記事として内部探索の記録をここに載せる。

ここにはレジが残されていた。写真中央下のピンク色の「鬼うどん」がひときわ目立つ。
この「鬼」とは、浅間特有の溶岩地形「鬼押出し」にかけていると思われる。実物はどんな風だったのだろうか……1回食べてみたかった。

部屋には浅間山が噴火した時の写真が飾られていた。日付は「1958年12月5日午後1時8分」とある。相当な爆音と降灰であったろうことは写真の迫力からまざまざと伝わってくる。
──と、ここでタイムアップになってしまった。まだ日が沈むには時間があったのだが、隣接する現役施設の館外放送で我々の車のナンバーが先程からしきりに放送されているためだ。閉館時間のため速やかに退去せよ、と。

なごり惜しいが、ここまでとなった。
振り返り、浅間園を見渡す。まだ剥製などを見ていないので、次回の探索ではぜひ見たいと思っていた。それがまさか全面板張りになってしまうとは。
まさに廃墟はナマモノ。一期一会。破壊美と展望のコラボレーションが素晴らしい、美しい廃墟だっただけにとても残念だ。これも廃墟の運命として、受け入れるしかないのか──
(※ 追記:その後、2013年に浅間園は解体されました)
【廃墟Data】
状態:解体済
所在地:
- (住所)群馬県吾妻郡嬬恋村鎌原
- (物件の場所の緯度経度)36°26'21.6"N 138°32'04.2"E