1. 概要
古虎渓ハウス(ここけいハウス)とは、岐阜県多治見市にある古い温泉施設の廃墟である。心霊スポットとしてよく知られており、浮遊霊のたまり場になっていると噂されている。特に女性の顔の落書きがある2階のトイレが危険と言われていて、ここで心霊現象を体験する人が多いようだ。
1-1. 古虎渓ハウスの歴史
ここは昔「イオンハウスセンター」という名の保養所だった。廃墟名の「古虎渓ハウス」の「ハウス」はここから取られている。おがくず(木の切りくず)に特殊な酵素液をかけ熱を発生させてそこに埋まるという、砂風呂のおがくず版みたいな事をしていたらしい。
しかし昭和48年(1973)に火災が起きて廃業。その後「オガコ温泉」(おがくずの粉という意味だろう)として再開するも、またしても火事のため廃業に追い込まれる※1。そして経営者は夜逃げしてしまった。
1-2. 閉業後~心霊スポット化
たび重なる火災のせいで見た目がひどいことから、古虎渓ハウスは閉業後すぐに心霊スポットと化した。よく言われる「浮遊霊のたまり場」というのは、ある霊能者が古虎渓ハウスを霊視したところ「江戸時代の女性の霊がいて他の霊を呼び寄せている」と言った※2ことがきっかけらしい。
他にも「オーナーが自殺した」「集団食中毒があった」ともよく言われるが、信憑性に欠ける。ガス爆発事故による客の死亡事件のうわさも火事との混同だろう。「白骨死体が見つかった」などというのは、もはや完全に近隣の千歳楼との思い違いである。
このようにさまざまな噂が飛び交いつつも、古虎渓ハウスは現在でも取り壊されずに残っている。
2. 実際に足を運んでみた

現役時に使われていたであろう階段はごらんのありさま。どうして心霊スポットの階段はどこも崩壊しがちなのか……
同じくボロボロに朽ちたブルースカイの階段やホワイトハウスの階段を登り切った私でも、さすがにここを無事に登れる自信はない。

結局、古虎渓ハウスに入るときに登ってきた急斜面の続きをさらに登り、2階へとやってきた。しかしあんなに頑張ってここまで来たのに、なんにもない……(これも廃墟「ブルースカイ」の2階を彷彿とさせる)。
(▲ この写真は自由にグリグリ動かせます)
これが古虎渓ハウスのトイレだ。奥の壁に描かれているのが、例の「女性の絵」である。一説にはこの絵は、この廃墟に出る江戸時代の女性の霊を描いたものとも言われる。
絵はトイレの入口から見て真正面に描かれているので、懐中電灯を持ってここに入るといきなりこの絵が目に飛び込んでくることになる。絵があると分かっててもビビるのは筆者も経験済みで、これまでも多くの探索者を震え上がらせてきた。
黒いタイルで四方を囲まれているせいかここには妙な不気味さがあり、このトイレを目的に古虎渓ハウスに来る心霊愛好家は多い。

これを降りるのか……😓
古虎渓ハウスは市販の心霊スポット解説本に何度か載ったこともあり、比較的よく知られた廃墟である。
しかしいかんせん筆者に霊感がなさすぎるせいか、古虎渓のすぐ隣の定光寺にある千歳楼の方が見た目に迫力があって、筆者的には楽しめた(千歳楼はまったく中に入れなかったにも関わらずである)。
本職の霊能者が「出る」と言った確かな物件であることは間違いないので、霊感のある人なら心霊現象に遭遇できる確率も高いだろう。特に2階のトイレはうわさ通りなかなか不気味であり、それが期待できそうな雰囲気は私にも感じ取れた。
【廃墟Data】
状態:健在 ただし出入口が崩壊していてかなりの急斜面
難易度:★★★☆☆(普通)
駐車場:古虎渓公園の駐車場を利用(→地図)
所在地:
- (住所)岐阜県多治見市市之倉町13丁目41 付近
- (物件の場所の緯度経度)35°18'29.7"N 137°06'24.6"E
- (アクセス・行き方)
【自家用車】中央自動車道「多治見IC」より、国道248号線→県道15号線経由で約15分(6.2km)。
【公共交通機関】JR中央本線「古虎渓駅」から徒歩で行けるようにも見えるが、途中のトンネルの道幅が狭く交通量もあるため危険。この廃墟に行くには車かバイクがほぼ必須である。