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【内部探索】姫川病院 4階(院長室・スタッフルームなど)

概要

本記事は、廃墟「姫川病院」の4階について詳しく紹介している。この階はすべてスタッフ専用のエリアであり、院長室などがある。

経営側のトップである理事長の部屋を見たい場合は、を参照のこと。

以下に、マップ左下の「図書室」から順に時計回りで紹介していく

1. 図書室

図書室

ここには医療・看護関係の書籍が並ぶ。業界誌の購入をケチるようになったらその会社はいよいよお終いだが、書籍の発行日を見るに姫川病院はさすがにそこまで腐ってはいなかったようだ。

人の命に関わる業界なので、常に最新の情報を仕入れておくのは最低限必要なことだ。

2. 看護部長室

看護部長室

看護師のトップの仕事部屋がこちら。病院末期の人員表を見ると副部長も兼任していたようだ。つまるところ人件費のコストカットであり、削れるところは削ろうということか。

3. 会議室

会議室

4階でいちばん広い部屋がこの会議室だ。大型のシャウカステン(レントゲン写真などを見る照明装置)やAV機器も残されているので、カンファレンスも実際にはここでやっていたんじゃないかと思う。

4. 医局

リピトールとリバロのクリップホルダーと、リスモダンのマグネット

部屋で「医局」といえば、医師の控え室のことだ。特に写すまでもない普通の部屋だったが、ロッカーには製薬会社からの販促品が残されていた。

こういうのが業界的に禁止されてしまったのは旧館1階の記事で書いたとおりだ。このクリップ入れや磁石も、いずれは廃墟でしか見られない激レアグッズに昇格していることだろう。

医局に残されていたビデオケース

医局に残されていたビデオケース。中身は入っておらず、医局員の誰かが持ち帰ったようだ。先生もお好きですねぇ!

姫川病院のバイアグラ処方希望カード

ビデオケースの隣に「バイアグラ」と書かれたマグネットがあったので、まさかなとは思っていたがやっぱりか(笑) 姫川病院もバイアグラを処方していたらしい。自由診療で価格を自由に設定できるから儲かるんだよな。

もともと心臓の薬を目指して開発していたこの薬。それが失敗に終わり、実験で余った薬を回収しようとしたところ、被験者がなぜか薬を返却したがらないことから、思いもよらぬ別の「効能」が発覚。まさに棚からボタ餅であった。

出た当初はマスコミや世間でかなり騒がれたのを筆者もよく覚えている。日本でも承認前から闇で流通し、服用による死亡事故まで起きる過熱ぶりだった。

5. 部長室

部長室

医師で部長級以上の部屋は、壁が高級感のある木目調になるなどの差別化が図られている。

6. 院長室

姫川病院4階 院長室

病院の診療面の長である病院長の執務室がこちら。最上階でいちばん眺めが良く、日当たりも良い部屋をあてがわれている。

姫川病院最後の院長は神保正樹氏。先述した裁判の折に、理事長や富山第一銀行ともども訴えられてしまった。しかし経営面の主な責任は理事長にあるはずなので、やや気の毒な気はする。

7. カンファレンスルーム

姫川病院4階 カンファレンスルーム

患者の症例を報告したり、治療方針を話し合ったりするための部屋。しかし「カンファレンス」の名を冠するこの部屋よりも、会議室の方が使い勝手はよほど良いように思える。

小型のシャウカステンが申し訳程度に置いてあるので、一応はここでもカンファレンスをしていたようではあるが……

2007年5月発行の論文誌Circulation (American Heart Association)

壁付近のマガジンラックには、循環器領域に関するアメリカの論文誌が並ぶ。

医療系の各領域の業界誌

各分野の日本の業界誌。これらの書籍類は本当に閉院ギリギリまできちんと購読を続けていたようだ。

8. 終わりに

姫川病院の国道側からの外観(空撮)

以上で、これまで全5回に渡って連載した姫川病院の内部の探索記事を終える。紙面の都合上すべての部屋を紹介するわけにもいかず、やや駆け足となってしまった部分もあるが、世界でもっとも詳しくこの廃墟について書かれた記事だと自負している。

今回の記事が読者の皆様に楽しんでもらえたり、何かの参考になれば幸いである。

(姫川病院 1~4階 了)