概要
鬼怒川第一ホテルとは、栃木県日光市の鬼怒川温泉にあるホテルの廃墟である。前回紹介した「きぬ川館本店」と合わせて、鬼怒川の巨大廃墟群において文字どおり双璧をなす廃ホテルである。
昭和31年(1956)に、今も現役の「あさやホテル」の支店として開業したのがこのホテルの始まり。すぐ隣の「きぬ川館本店」とはライバル同士で、お互いが競い合うようにして増改築を繰り返した。その結果、本ホテルは500名以上が宿泊できる巨大旅館へと変貌した。
実際に行ってみた
娯楽施設
客室・宴会場
温泉

このホテルの売りである「鬼怒の八湯」がこちら。ラジウムの湯や打たせ湯など、8種類の温泉が楽しめた。右手のガラスには、1~8番まで番号順に入るように案内が書かれている。
また、ここはお隣のホテルのかっぱ風呂のように男性専用だなんてことはない。ちゃんと時間による男女入れ替え制である。女子大浴場からは直接この八湯にアクセスできる造りになっているなど、男子にはない特別な配慮までされている(男子はいったん大浴場を出て廊下を通らないとここには来れない)。

写真に見える浴槽は、右奥から反時計回りに入るのが順序。右奥がマコモの湯(2番)、左奥は打たせ湯(3番)、手前は浅い歩行湯(4番)である。ただ、浴槽脇の掲示ではマコモの湯は「オリーブの湯」となっている。
終わりに

(▲ 夕暮れに染まる鬼怒川第一ホテルの巨大廃墟)
前回・今回と2回に渡り、鬼怒川の廃墟ホテルのツートップである「きぬ川館本店」と「鬼怒川第一ホテル」を詳しく紹介した。
今回紹介した第一ホテルは、きぬ川館に比べるとおおむね保存状態が良く、きれいな部屋が多い印象だ。造りそのものもより近代的で、きぬ川館のような古臭さはそこまで感じなかった。
次回最終回は、この2つとはやや離れた場所にある「鬼怒川観光ホテル東館」を詳しく見ていく。上の写真の中央右付近に小さく写っている茶色のビルがそれである。
(「鬼怒川温泉の廃墟ホテル群」より、鬼怒川第一ホテル 了)
鬼怒川の各廃墟ホテルの記事一覧
- 元湯 星のや
- きぬ川館本店(かっぱ風呂)
- 鬼怒川第一ホテル ※本記事
- 鬼怒川観光ホテル 東館
- 鬼怒川観光ホテル 西館 ※解説のみ
【廃墟Data】
状態:健在
難易度:★★★☆☆(普通)or 探索不可能? ※2022/3末に入口の封鎖工事を実施
駐車場:鬼怒川戊辰公園付近の無料駐車場を利用(→地図)
所在地:
- (住所)栃木県日光市藤原2-30
- (物件の場所の緯度経度)36°50'09.9"N 139°43'16.4"E
- (アクセス・行き方)
【自家用車】日光宇都宮道路「土沢IC」より、国道121号線経由で約30分(18km)
【公共交通機関】東武鬼怒川線「鬼怒川公園駅」より徒歩約8分(650m)