1. 概要
ホテルセリーヌとは、長野県の野尻湖の近くにあるラブホテル(モーテル)の廃墟である。ここは不気味な妊婦の絵が壁に沢山描かれていることであまりにも有名だ。インターネットの普及以前から市販の廃墟本などでも取り上げられており、長野県内はおろか全国的にその名が知れ渡っている。
1-1. ホテルセリーヌでの事件と心霊現象
その高い知名度に比例するかのように、ここには数々の心霊的なうわさ話が絶えない。その中でも最も代表的なのが「妊娠を苦に自殺した少女の話」だろう。
そのあらすじはこうだ──ある時若い女性がこの廃墟に連れ込まれ、男数人に乱暴されてしまう。そしてその後妊娠が発覚し、女性はその現実に耐えられず自殺してしまった。以来、このホテルでは自殺した少女の霊が頻繁に目撃されるようになる──
他にも「駐車場で発生したホームレスのリンチ死事件」や「話しかけてくるオーナー夫婦の写真」など枚挙にいとまがない。そもそもこの妊婦の絵をいったい誰がどんな目的で描いたのかも全くの謎であり、ホテルセリーヌは信州最恐の心霊スポットとして今もこの地に君臨し続けている。
1-2. 妊婦絵の現状
令和4年(2022)現在では、妊婦絵はかなり風化・劣化が進んでおり、ほとんど読み取り困難な絵も多い。本記事ではそうなる前の状態の良い妊婦絵を掲載しているので、ぜひ楽しんでいって欲しい(ただし初期状態ではモザイクあり。詳しくは下記)。
2. 記事の訂正とお詫び(追記)
3. ホテルセリーヌの探索記録

どうも絵の作者は妊婦の不○・中○し・流○プレイの超絶マニアとか言うどうしようもない人物らしく、ひたすらこのテーマの絵だけを廃墟じゅうに描きまくっている。【究極の妊婦S○X】とかいうパワーワードには、妊婦に対する作者の並々ならぬ情熱を感じてならない。
ちなみにモデルの女性には何人かいて、彼女は「人妻いずみ」である。この電話番号に本当にTELした勇者は果たしてこれまでいるのだろうか……

別の場所にも人妻いずみさん。今度は強○の場面らしいが、先ほどの絵と構図は全く同じである。線の角度や位置・数までもが気持ち悪いくらいに一致し、線そのものにも引き直した跡というか迷いのようなものは一切感じられない。
なので、何か参考となる絵や写真を見ながら描いたのかと一瞬思ったが、左右反転……だと……?
こういう細部への深いこだわりやら、芸術への素養、描く絵の異常なまでの再現性、同じものの繰り返し、鏡絵、特殊な性癖など、なんとなくある種の精神疾患を想起させる。

新井さんはご主人の出張中に義父と関係を持ち、その後義兄にも弄ばれたらしい。出張前にはご主人とも愛し合ったそうで、お腹の子が誰の子供か分からない。なのでお腹を裂いて確かめてほしいとか言いだす真性のガイっぷり。
そして結局、お腹から出てきたのは夫の子供ではなく「黒い」赤ちゃんだった──そんな素晴らしいアイデアを終盤になって思いついた作者は、あわてて後から義兄を塗りつぶして黒人に書き変えたと見える。
この時点で読者の99%は置いてけぼりだ! 先生ェ……

ヒェッ……そういえばここって心霊スポットだったな……妊婦の絵に夢中になりすぎてそんな事すっかり忘れていた。
霊感のない私にとって探索のメインは必然的に妊婦画であったが、絵だけでなくそこに添えてある文章も独特でなかなか読ませるのがニクい。先生は絵の才能だけでなく、文才もおありだったようだ。

(▲ ホテルセリーヌを前にしてはしゃぐ筆者)
ホテルセリーヌは軍艦島と同じくいつか絶対に行きたい廃墟のひとつだったので、今回こうして訪れることができて本当によかった。この探索ももう大満足である。これからもこの廃モーテルは日本の廃墟フリークたちを魅了し続けることだろう。
(廃墟「ホテルセリーヌ」 了)
4. 記事の再公開について(追記)
この記事は本来ならば、公開停止と共にそのままお蔵入りになるはずの記事でした。しかし仮にも廃墟サイトでこの有名物件を取り扱っていない、などというのは個人的に許せなかったため、大幅に修正を加えた上でむりやり再公開しました。
また、記事を公開しなおした関係で、これまで本記事にいただいたコメントはすべてリセットされてしまいました。大変申し訳ございません。
【廃墟Data】
状態:健在
所在地:
- (住所)長野県上水内郡信濃町大字野尻3635
- (物件の場所の緯度経度)36°50'47.3"N 138°11'54.3"E
- (アクセス・行き方)上越自動車道「信濃町」ICより、国道18号線経由で約6分(4.5km)
料金所を出ると高速出口のT字路で国道18号線と接続するので、左折して「上越・妙高・野尻湖」方面へと進む。そのまま国道18号線を4km弱進み野尻湖を越えて峠を越えたあたりで、左方向にホテルセリーヌの廃墟が見えてくる。