
(▲ サイト開設からの10年間で最も印象深かった廃墟。「ついに英語圏以外の廃墟にまで来たか」という思いだった - ベルギーの発電所跡にて、360度カメラで撮影)
本日、廃墟写真ブログ「Ruin's Cat」は無事に10周年を迎えることができました。
ブログ業界は1年で新規サイトの60%が脱落(総務省調べ)、2年後まで生き残るのは10%以下とも言われる厳しい世界です。その中で10年も続けてこられたのは、とても幸運なことだと思います。これも当サイトを見て下さっている皆様のおかげです。
特に、記事への温かいコメントにはとても支えられました。YouTubeやSNS全盛のこの時代にあえてブログをやる意義が見いだせず、サイトを閉鎖しようと本気で考えていた時期も実はありました。そんな危機すらも乗り越えて今日まで続けてこられたのは、まぎれもなく皆様のおかげなのです。
これまで当サイトに来てくださった方、そしてコメントをくださった諸兄姉に、この場を借りて心から厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。そして、もしこれからもご愛顧いただけたなら、これほど嬉しいことはありません。

立ち上げから10年が経ち、このサイトも大きく変わりました。
その最大の変化は、私が廃墟にハマり始めた当時画面越しに見るだけだった大きな廃墟サイトに、気がつけば私自身のサイトがなっていた、という事でしょう。
当初、このサイトは廃墟写真集の頒布イベントのための「おまけ」に過ぎませんでした。
そして掲載する記事も、マイナーな廃墟や解体された廃墟の速報が主でした※1。有名な廃墟(=美しい・面白い廃墟)は他のサイトですでに散々紹介されているので、今さら私が記事を書く必要などどこにも無かったのです。
(▲ 廃墟サイトの消滅をなげく人々 - Twitter より引用)
しかしそれも、時と共に状況が変わってきます。
当時活発だった廃墟サイトも、次第に更新が途絶えていきました。そして1つ消え、2つ消え、ついにはネットで廃墟のことを検索すると私のブログがトップに来ることも少なくなくなってしまったのです。
──これには、正直焦りました。
なぜならそうなった理由が、私の書く記事や写真が優れているからではなく、私のブログが結果的に長く生き残ったという、ただそれだけの理由だったからです※2。
つまり廃墟のことをよく知らない方がネットで調べたとき、私のブログを見て「廃墟とはこの程度のものだ」と思われる危険性がある、ということでした。
それは他でもない、私の愛する廃墟にとってあってはならないことです。今度は廃墟の素晴らしさを私自身のサイトで、私自身が証明する必要に迫られました。