Menu

津山プラザホテル

概要

津山プラザホテルとは、岡山県津山市にある大型ホテルの廃墟である。地方部にあるホテルとしては、豪華な結婚式場や展望レストランを備えているのが特長であった。開業は昭和49年(1974)であるが、2000年代の半ばには廃業してしまった。

この廃墟は、記事冒頭の美しいガラス張りの階段室で有名である。その様子は、かつて「廃墟の女王」とまでうたわれた摩耶まや観光ホテル彷彿ほうふつとさせることから「岡山のマヤカン」の異名を持つ。

また、ここは心霊スポットとしても有名であるが、実際のわれはその人気度に比べて極端に少ない。かろうじて「若い女性のすすり泣く声が聞こえる」とうわさされている程度である。

実際に行ってみた

津山プラザホテルの外観

ホテルの正面までやってきた。外観はなかなか迫力があり、しかもこのすぐ隣が墓地なので心霊スポットとして人気があるのもうなずける。

津山プラザホテルのフロント

入口から入ってすぐ、ホテルのフロントがあった。有名な心霊スポットでは、このように入口付近がメチャメチャに荒らされがちである。

営業当時の津山プラザホテルのフロント

営業当時のフロントの様子。今となっては見る影もない。

津山プラザホテルの孔雀の間

1階の大宴会場「孔雀くじゃくの間」。

営業当時の津山プラザホテルの孔雀の間

現役時の同じ部屋を別角度から。見るからに披露宴会場としての利用を想定している。

2階へと続く階段

さて、それでは2階へ上がろう。

津山プラザホテルのガラス張りの階段室(昼間)

──っと、この階段がうわさの「マヤオカ」だったか! いきなりクライマックスだな(笑)

ほほう、確かにガラス張りの美しいアーチと木々の緑が、摩耶観光ホテルの有名なあの部屋を思わせる。そこら中が見るも無惨に荒れ果てたホテルの中で、ここだけがまるで別世界のようだ。

なるほどね、これは本家に迫るくらい美しいんじゃないか。

津山プラザホテルの2階廊下

マヤオカを後にして、2階の廊下へと出た。やはりこの階もボロボロに荒れ果てている。

津山プラザホテルの平安の間

2階の大宴会場「平安の間」。

営業当時の津山プラザホテルの平安の間

営業当時の同じ部屋を別角度から。絢爛けんらん豪華だ。

営業当時の津山プラザホテルの出雲の間

こちらは同じ階の「出雲いずもの間」。結婚式場として使われていたとのこと。灰皿とマッチが机の上にずらっと並べられている所にすごく時代を感じる。

今こんな所で喫煙なんてした日には、超高額なクリーニング代を請求されそうだ。

結婚式の写真のサンプル品

きちんと装丁そうていされた結婚式の写真が床に落ちていた。おそらくサンプル品だろうが、もしそうでないとしたら悲しすぎる。

テーブルクロスの見本

ところで、結婚式や披露宴は決めることがムチャクチャ多いと聞く。果てはテーブルクロスの色とかまでかれて、主に新郎が途中で根を上げるとか上げないとか……

津山プラザホテルの3階廊下

3階の廊下。この階から5階までは客室が並んでいる。

営業当時の津山プラザホテルのデラックスツインルーム 廃墟化後の津山プラザホテルのデラックスツインルーム

(▲ この写真は境界線を左右に動かせます。iOS13以前では表示されません)

デラックスツインルーム。

営業当時の津山プラザホテルのシングルルーム 廃墟化後の津山プラザホテルのシングルルーム

(▲ この写真は境界線を左右に動かせます)

シングルルーム。

津山プラザホテルのスカイラウンジ

客室階を抜けて、最上階の6階まで上ってきた。ここはスカイラウンジ(バー)だったようだ。

営業当時の津山プラザホテルのスカイラウンジ

現役当時はこんなにきらびやかな世界だったらしい。私にはお酒を飲む習慣がなく、こういう所には縁がなくて分からないのだが、今でもこんな風な所はあるのだろうか。

アントニオ猪木の若い頃が載っている古いプロレス雑誌

バーカウンターのそばには当時物と思われるプロレス雑誌が落ちていたが、猪木が若い……! この廃墟が生きてきた時代をリアルに感じさせる。

営業当時の津山プラザホテルのスカイレストラン 廃墟化後の津山プラザホテルのスカイレストラン

(▲ この写真は境界線を左右に動かせます)

同じく最上階の「スカイレストラン」。

スカイレストランから見下ろした津山市街

レストランの割れた窓からは、津山市街が一望できる。写真中央には、筆者が今日泊まる予定のホテルが見える(廃墟じゃないよ!)。

津山プラザホテルから見下ろした作陽音楽大学の常盤寮

目線を少し近場に落とすと、つい先ほど足を運んだ廃墟である作陽音楽大学の常盤寮が見えた(右の長方形の建物)。

目玉が落書きされた換気ダクト

ホテルの屋上には、うるうると涙を流す換気ダクトがいた。かつては結婚式まで行なわれた美しいホテルが今やボロボロの心霊スポットとか、そりゃあ泣きたくもなるだろうさ。私が立派な記事にするから、そう気を落とすなよ!

【廃墟Data】

状態:健在

難易度:★★☆☆☆(低)

駐車場:ホテル前の旧敷地内に駐車可能なスペースあり(→地図

所在地:

  • (住所)岡山県津山市八出880
  • (物件の場所の緯度経度)35°03'18.0"N 134°00'41.3"E
  • (アクセス・行き方)
    【自家用車】中央縦貫自動車「津山IC」より、国道429号線経由で約10分(5.2km)。
    【公共交通機関】JR津山線「津山駅」にて下車、駅より徒歩約10分(800m)。