1. 概要
関口邸(せきぐちてい)とは、埼玉県某所にある和式住宅の廃墟である。重厚な門扉をどっしりと構え、回廊のある母屋と離れに井戸までついている。いわゆるその土地の名士が住むような豪邸である。
ここは「屋敷に放火して夫と無理心中した老婆の霊が出る」として非常に有名な心霊スポットだ。鬱蒼とした竹林の中に純和風の屋敷が廃墟となって佇んでいるさまは、まさに絵に描いたようなジャパニーズ・ホラーそのものである。
1-1. 関口邸にまつわる事件
1-2. 近隣の住民への影響
2. 探索記録

記事冒頭の写真に写っていた出入口の門をくぐり抜けてすぐ、敷地内を見渡したところ。左手奥に見えているのは第二の門であり、住居ではない。
この「門を抜けても家が見えない」という超上流階級な仕様に、私はこの廃墟が何かただならぬモノだという事を早くも感じ取っていた。

井戸の中も一応のぞいてみた。だが例のお婆さんは貞子よろしく井戸から這い出てくるわけではないそうだ(井戸のそばで立っているらしい)。
そのことを裏付けるかのように、井戸の中には竹の葉っぱ以外に特に目につくものはなかった。

そしてこの母屋、うわさ通り窓に鉄格子が付けられている。これは認知症の進んだ夫が勝手に家を出ていって外を徘徊するので、それを防ぐための物だったと言われている。
井戸に豪邸に鉄格子と、探索もまだ序盤のこの時点ですでに心霊スポットとしての凄みは十分すぎるほどだ。本ブログの「心霊スポットランキング」にもぜひ入れたかったが、これは評価基準として「広く場所が知られていない廃墟は除外」とあるので、場所が非公開の本物件は惜しくもランク外である。
それでもあえて順位をつけるならば、あの「ホテル活魚」を抑えて第4位になっていただろう。それほどこの廃墟は纏っているオーラが半端ではない。

部屋の傍らには、親族の葬式を写したと思われる家族写真が残されていた。
確証はないが、見たところ右上の写真の老夫婦がこの屋敷に住んでいた人物と思われる。そして顔などの特徴から、左の写真の女性がその娘と孫で、下の写真が息子夫婦と孫のように見える。

民家の廃墟に行くとよく思うのが、「大切なはずの家族写真を放置してまでここを離れなければならなかった理由って何だろう……」ということだが、この廃墟はそれが「介護疲れの果ての無理心中」なのかと思うと、胸が締め付けられるようだ。

まぁ、こんな豪邸持ってるような金持ちほど株はやるよね……同じ利益率数%の取引でも、種銭が1億と100万とでは、儲けがサラリーマンの年収とお小遣いほどの差になる。
しかも金持ちは資金に余裕があるから、たとえ失敗しても後から十分に取り返せる。でも庶民にはその余裕がないから、一度の失敗で全財産を失いかねない。資本主義ってのは、ひどいハンデ戦のようなものだ。

しかもこうやって証券会社に丸投げしちゃえば、自分であくせく取引する必要すらないからねぇ。ブルジョワはもう仕事なんてせずとも、毎月自動でお金が入ってくるわけですよ。
それにしても「金万証券」とかいう名前www こんなドストレートなのギャグ漫画にだって出てこないぞ🤣🤣🤣

まさか関口家に医者が? と思い保険医の氏名を見ると、そこにはやはり「関口」の文字が。そして保険医療機関の住所も、古い番地のためはっきりとはしないが、おそらく今いるこの場所か旧敷地内(今は中学校になっている)のものだ。
ここ、病院の廃墟だったのかよ……(驚愕)。なるほど、確かに保険医の名前が女性なので、この人が例の「おばあさん」だとしたら、認知症になった夫を自ら介護したという話もうなずける。上流階級の人間ほど身内の醜態を他人にさらしたがらないと言うが、それだけでは妻自らが介護をした理由には弱いとは思っていた。この時代に医師をやるくらいなので、責任感も強かったのだろう。
この廃墟は心霊スポットとして有名なため、私もここにまつわる話は色々と聞いているが、これらの話はまったくの初耳である。おそらく現時点で心霊・廃墟界隈では私の他に誰もこのことに気がついてないんじゃないだろうか。

これにて離れを後にする。離れのそばには、最初の方に見た井戸とはまた別の井戸があるが、老婆の霊が出るとされているのはこっちの井戸ではないらしい。
なるほど、こうして実際に見てみれば禍々しさがまったく違うな。どうにも写真ではお伝えしづらい部分ではあるが……。
【廃墟Data】
状態:母屋は火災と竹により原型を留めなくなりつつある。離れは健在。
難易度:★★★☆☆(普通)
駐車場:なし
所在地:
- (住所)埼玉県某所(非公開)
- (物件の場所の緯度経度)─
- (アクセス・行き方)─
- (地図)非公開