険しい山間の町に存在する、とある分校へと訪れた。
黒板消しは、静かにその役目を終えていた。
生徒たちの声は、もうどこにも聞こえない。
不規則に歪む、ガラスの向こうの景色。
今では見ることのない建材が、この分校の歴史の重さを物語っていた。
休み時間に遊び終えるたびに蛇口へと群がっていた生徒達は、今では植物達に取って代わられてしまった。
もう戻ることはないあの日の喧騒。
今は静かに、自然へと還るのを待っている。
【廃墟Data】
所在地:
- (住所)埼玉県秩父郡小鹿野町両神薄6264
- (物件の場所の緯度経度)36°01'14.6"N 138°56'20.0"E
- (アクセス・行き方)秩父市街から国道299号線経由で約30分(20km)