
「醜米覆滅」と書かれた大田司令官の直筆の文字(写真左上)が残る沖縄の海軍司令部壕跡。この部屋で大田は、かの有名な「……沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」の電文をしたためた。
他にも、当時の幕僚が手榴弾で自決した跡が壁一面に残るなど、沖縄戦について深く考えさせられる史跡だ。
大田の電報には、当時の訣別電報(敗北を悟った現地の司令官が、玉砕直前に大本営に当てて送る電報)の常套句だった「天皇陛下万歳」「皇国ノ弥栄ヲ祈ル」などの言葉はなく、ひたすらに沖縄県民の敢闘の様子を訴えている※1。
しかし、大田の求めた“沖縄県民への後日の特別の配慮”は、日本が降伏したために叶わなかった。
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